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留守宅狙うのが６割
空き巣被害を防ぐ 身近な犯罪、こまめに施錠を
2008/1/17 産経新聞
東京朝刊 by 八並朋昌
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| 「ガラス破り」は窓錠付近の狭い部分だけを割るので、上下に補助錠を追加すれば防犯効果は高まる（警視庁提供） |
「帰宅３日目にようやく気付いた」と振り返るのは、東京都中野区の２世帯住宅に住む主婦（４３）。昨年末の海外旅行中に被害に遭った。
１階納戸の窓枠がずれているのに気付き、貴重品を調べると「１階タンスの指輪４個、玄関の引き出しの合鍵が盗まれていた」。指輪は最低でも時価計１２０万円。玄関錠の交換費用約７万円は住宅保険で賄えたが「窓は壁の修理も必要で数十万円かかり、保険で全部補償されるか分からない」という。
警察によると、室内の足跡は２人で、窓をこじ開けて侵入し、外をもう１人が見張りする手口。「独身時代も空き巣に遭い、部屋の中をめちゃくちゃにされてショックだった。今回は物色後の引き出しなどは元に戻してあり、気付かぬまま再度入られる危険もあったと思うと、なおさら恐ろしい」と打ち明ける。
警察庁によると、全国の刑法犯は最多の平成１４年以降は減少傾向で、侵入盗も平成１０年の２３万７７０３件から１８年は２０万５４６３件に減った。ただ、留守宅を狙う空き巣がこの６割を占める。
東京都内の空き巣は、１４年の２万１１２３件から昨年は約７０００件（速報値）と３分の１に激減。「ピッキング対策や地域防犯活動が奏功した」と警視庁生活安全部の諏訪彰弘管理官はみる。それでも、都内で毎日１９世帯が空き巣被害に遭っているのだ。
侵入手口をみると「一戸建ての場合、ガラス破りが７割を占め、錠破りは２％のみ。窓は割れにくい合わせガラスや防犯フィルム張り付けを。上下窓枠に補助錠を付けるのも効果的。泥棒は侵入に時間がかかるのを嫌う」と諏訪管理官。
さらに（１）ブロック塀はアルミ柵（さく）などに（２）密生して背の高い生け垣は、すいて低く（３）人が近寄ると点灯するセンサーライト設置−で、周囲から見えることが大切だ。
もちろん玄関錠は防犯型にし、内側の解錠つまみ（サムターン）もボタンを押さないと回らないなどの防犯型に。
集合住宅では「ガラス破りは３階以下で５割、４階以上は３割に減るが、ピッキングやサムターン回し、錠破り、隠した合鍵使用−の玄関関係が３階以下で計１２％、４階以上は計３２％にも達する」。錠は防犯型にし、扉と枠のすき間には錠破りを防ぐガードプレートを。そして扉上部に補助錠も取り付けたい。
建具や錠は、平成１６年から官民合同で防犯性能を認証している「ＣＰ」マークがあれば安心だ。
一方、共通して多いのが玄関や窓の鍵のかけ忘れ。一戸建ては４分の１、集合住宅も４階以上が４分の１、３階以下で３分の１にもなる。「ごみ出しのわずか５分でも泥棒は狙う。外に出る際は必ず施錠する習慣を」と諏訪管理官は訴える。
高級住宅を狙う空き巣が多い杉並区では昨年１０月、荻窪署管内の８町会という狭い範囲で２５件も続発。同署は新聞にチラシ７万部を折り込んで注意を呼びかけた。
「夕方から午後９時ころまでに多発する。室内が暗いままだと一目で留守とわかる。留守中は居間などは点灯したままか、自動点灯にするといい」と木村茂副署長。
雨戸やシャッターは丈夫でしっかり施錠できるものを、室内点灯と併用すれば有効だ。
そして諏訪管理官と木村副署長が声をそろえるのが地域協力。「留守にするときはご近所に知らせておく。見慣れぬ人がウロウロしていたら“何か用ですか”と声をかける。泥棒が一番嫌うのは“地域の目”だから」
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