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湿度調整がカギ
冬場の不快な刺激「静電気」 手軽に撃退
2008/1/24 産経新聞  東京朝刊 by 海老沢類
ドアノブに触れたときや、セーターを脱ぐときに「バチバチッ」とくる不快な刺激…。乾燥する冬場になると気になるのが静電気だ。電気を逃がしにくいプラスチック素材や、相対湿度を下げるエアコンが普及したことで、日々の暮らしで静電気の刺激を感じる場面が増えたともいわれる。手軽に実践できる軽減策をまとめてみた。

静電気対策用品の特設コーナーでは、携帯しやすい小型のアースなどが人気=東京都渋谷区の東急ハンズ新宿店
静電気対策用品の特設コーナーでは、携帯しやすい小型のアースなどが人気=東京都渋谷区の東急ハンズ新宿店

静電気は、2つの物体が接触して離れる際、原子のプラスとマイナスのバランスが崩れることで起きる。街中を歩いていたり、いすから立ち上がったりするときにも発生している現象だ。湿度が高い夏場は空気中の水分などを通して自然に放出しているが、乾燥する冬場は、大気中に含まれる水分が少ないため電気の逃げ場がなく、体内に蓄積されやすい。結果、金属などに触れると一気に電気が流れ出るため、強い刺激を感じやすくなるという。

静電気の発生を抑えるには、室内なら湿度調整が最も効果的だという。静電気問題が頻発するのは湿度が30%を切ったときとされる。『静電気がわかる本−原理から障害防止ノウハウまで』(工業調査会)の著書がある、東京農工大工学部の高橋雄造教授はホームページ(www.tuat.ac.jp/〜yuzo/index.html/)などで、室内に加湿器を置く▽やかんを使ってお湯を沸かす▽洗濯物を室内につるす−といった対策で、湿度を60%程度まで上げるようアドバイスしている。「冬場に静電気に困ると、床に水をまく工場もある。部屋や廊下の床をぞうきんがけするだけでも多少の効果はあるでしょう」

湿度調節が難しい屋外の場合、ちょっとした工夫が必要だ。例えば、ドアノブに触れたときに感じる刺激。指先だけで触れると電流が一点に集中するため、刺激を強く感じてしまう。刺激を軽減するには、電流が分散されるように、比較的感覚の鈍い手のひら全体で、包み込むようにつかむといいという。

素材の選び方にも注意したい。洋服を脱ぐときに「バチバチッ」と音がしたり、スカートやズボンが足にまとわりついたりした経験は誰にもあるはず。そうした事態を避けるためには「水分を含みやすい天然素材を選ぶといい」と高橋教授。冬場は、ソファのカバーを化学繊維のものから木綿地のものに変えてみるなど衣類以外にも応用できるという。

意外な盲点は「重ね着」だ。素材にはプラスの電気を帯びやすいものとマイナスの電気を帯びやすいものがあり、この違いによっても静電気の強さに差が出てくる。例えば、プラスに帯電しやすいウールのセーターの上に、マイナスに帯電しやすいポリエステルのジャンパーを重ね着すると、静電気が起こりやすくなるという。素材の織り方などにも左右されるため一概には言えないが、ひとつの目安にはなりそうだ。

乾燥する日が続き、静電気対策用品を扱う売り場もにぎわっている。東京都渋谷区の東急ハンズ新宿店には、200点近い関連商品が並ぶ。「不快を少しでも軽減しようと購入する人が多い。アクセサリー感覚で持ち歩ける1000円前後の商品が好評」と、同店販売促進担当の柴田健一朗さんは話す。売れ筋は、金属に接触させて静電気を逃がすアースの役目を果たすキーホルダーや、オフィス内でも手軽に使える自然気化式の加湿器。セルフ式のガソリンスタンドで見かける小型の静電気軽減シート(690円)は、週に20点以上は安定して売れる人気商品だ。

高橋教授は「(湿度を下げる)エアコンや、プラスチック素材、合成繊維が普及した現代は、より静電気が発生しやすい環境といえる。湿度調整や素材の選択に注意して、自分なりの対策を工夫してほしい」と話している。

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