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4月リニューアル 
「題名のない音楽会」45年目の再出発
2008/1/24 産経新聞  東京朝刊
テレビの放送が始まって55年。各局には長年愛されている「長寿番組」というものがある。ドラマ、バラエティーなどそのジャンルは幅広いが、音楽番組の代表格といえば、テレビ朝日系の「題名のない音楽会21」だろう。放送開始から44年。高尚になりがちなクラシック音楽を家族で楽しめるように仕上げた貢献度は高い。4月からは世界的な指揮者、佐渡裕を司会者に迎え、タイトルも初期の「題名のない音楽会」に戻し、新たな気持ちで45年目に突入する。

番組は昭和39年にスタート(当時の東京12チャンネルから引き継いだテレ朝は41年から)。初代司会者は黛敏郎。上品な語り口ながら辛口な発言も織り交ぜ、平成9年に亡くなるまで33年間にわたって独自の色を強く打ち出す企画、進行を務めた。

その後、永六輔が2代目の司会者として半年間ピンチヒッターに立ち、番組存亡の危機を救った。同年10月からは「より親しみやすく」という趣旨で武田鉄矢が3代目として登場し、タイトルも「新・題名のない音楽会」に変えた。

12年4月からは羽田健太郎が4代目の司会者に、タイトルも現在のものになった。羽田は自らのピアノ演奏と言葉でより音楽の楽しさを視聴者に伝えたが、昨年6月に死去。その後はゲストの司会者を招いて進行してきた。

番組に携わって8年目を迎える鬼久保美帆プロデューサーは「音楽の本質を伝えるというところでは何ら変わりはなく、品質は保っていると思う」と自信をのぞかせる。

300年愛されたクラシック音楽をどうすれば世の中に受け止めてもらえるのだろうか−。そんな思いから、これまで洋邦のコラボレーション▽携帯着メロベストシリーズ▽海外からのオーケストラ招聘(しょうへい)−などいろいろなことに挑んできた。

「バラエティー全盛の時代に社会的な存在意義を考える音楽番組として今後も一石を投じていきたい」

ピンチもあった。新たな番組作りを目指す鬼久保が古くからいるスタッフとの契約を解消。周囲はこの若い女性プロデューサーのやり方に反発し、一時は番組の続行も危ぶまれた。本人も14年に急性骨髄性白血病に倒れ、半年間入院している。

「ストレスと過労はピークでした。私にとっては命がけで再び立ち上げた番組。スタッフとの信頼関係も徐々に築けてきていると思います」

ちなみに、最も古いスタッフは、31年間照明を担当する男性だという。

今後も「千の風特集」(2月3日放送)で新井満と秋川雅史が初めて同じステージに立ち、一般の人がオーケストラの指揮に挑戦できる「第2回振ってみまSHOW」(3月23日放送)など話題の企画が多数。

4月からはバーンスタインの最後のまな弟子といわれる佐渡が5代目の司会者に決定。公開録画という変わらないスタイルでクラシック音楽と直接ふれあう機会をさらに提供していく。

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