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4年連続で増加
19年の外国人旅行者 過去最多834万人
2008/1/29 産経新聞  東京朝刊
平成19年に日本を訪れた外国人旅行者数は4年連続で増加し、初めて800万人を突破したことが28日、独立行政法人の国際観光振興機構の調べで分かった。国土交通省によると、宿泊費などを含めた18年度の外国人の旅行消費額は前年度比20・2%増の1兆3600億円。株安や円高で景気減速感が強まる中、訪日外国人の増加には景気対策としても期待が膨らみそうだ。


19年の訪日外国人旅行者数は「為替相場が円安基調だったことによる買い物需要、日本食や日本文化に対する関心の高まり」(同機構の間宮忠敏理事長)もあって、前年比13・8%増の約834万9000人となった。国別では韓国が22・8%増の約260万人と大幅に伸び、全体の約3割。中国は16・2%、シンガポールも31%それぞれ増加した。欧米ではフランスの伸びが16・9%増と大きかった。

22年に訪日外国人旅行者1000万人を目指す「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の目標達成に向けて、政府は「観光庁」設置、アジアに重点を置いた積極的なイベントなどを展開中で、「初の800万人台突破は弾みになる」(国交省観光経済課)と喜ぶ。

ただ、最近の円高傾向に加え、米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題に端を発した世界的な株安はアジア各国にも飛び火しており、観光需要の先行きに不透明感を広げている。

一方で、海外に出国した日本人数は前年比1・3%減の約1729万8000人で、新型肺炎(SARS)の影響で落ち込んだ15年以来、4年ぶりに前年を割り込んだ。

流通、旅行各社 外国人客取り込みに躍起
消費低迷や少子化による需要先細りに悩む百貨店、家電量販店などの流通各社は、今後も増加が見込まれる訪日外国人を“新市場”と位置づけ、顧客囲い込みに躍起だ。

三越は中国で13億枚以上発行されているデビットカードの銀聯(ぎんれん)カードを受け付ける端末を、日本橋本店、銀座店などに導入。銀座店では人気の化粧品売り場に中国語を話すスタッフを常駐させた。

昨年1〜11月の銀座店の免税取扱件数は前年比50%増。特に中国人は75%増と高い伸びを示して「富裕層を中心に右肩上がり」という。

その消費意欲は旺盛で「銀聯カード所有者で一度に200万円以上購入するケースもあった」(日本百貨店協会)。「ゴルフ用品を100万円以上購入した韓国人客もいた」との指摘もあり、“新市場”の大きさがわかる。

百貨店協会は国交省などが展開する旧正月の観光キャンペーンに参加。業界をあげて訪日外国人の取り込みを狙い、高島屋や松屋など10社27店舗が割引(5〜10%)やプレゼントなどを行う予定だ。

家電量販店でもヨドバシカメラやビックカメラなどが主要店舗に銀聯カード対応端末を導入している。外国人客が多い秋葉原にある「ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba」では、中国語を話すスタッフが常駐するほか、海外仕様のデジタルカメラやゲーム機などを集めて、値札も英語表記にした外国人客向けコーナーも設置した。

旅行業界では、JTBが外国人向けのインターネットサイト拡充や訪日ツアー商品の強化を進め、近畿日本ツーリストは「国際旅行事業本部カンパニー」を発足させて欧米の旅行会社などに訪日ツアーの売り込みを図る。各業界の訪日外国人取り込み作戦が進む中で、この“新市場”でどれほど優位に立てるかは各社の業績にも大きな影響を与えそうだ。

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