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百貨店が集客の目玉に
駅弁ブームに湧く 高級化路線へ 
2008/1/30 産経新聞  東京朝刊 by 松岡朋枝
駅弁がかつてないブームにわいている。車内販売や駅売店は、旅行機会の多いシニア層をターゲットに、旅情をくすぐる高級商品の品ぞろえを増やし、コンビニ弁当などの低価格品との差別化に成功した。一方、都心の百貨店では、地方の人気駅弁を集めた催事が好調で、集客の目玉になっている。

大人気の駅弁。コンビニなどの低価格弁当との差別化が成功した=29日、東京都千代田区
大人気の駅弁。コンビニなどの低価格弁当との差別化が成功した=29日、東京都千代田区

JR東日本グループの駅弁最大手、日本レストランエンタプライズ(東京都港区)は、平成19年度の駅弁売上高が現行の東日本エリア中心の営業体制に移行した10年度以降、最高となる見込み。金額は公表していないが、19年度の販売個数は約654万個と、12年度からの7年間で4割以上増加する見通しだ。

以前はコンビニ弁当に対抗すべく、低価格路線をとったが、12年度までの4年間で販売個数が4割以上落ち込むという逆効果に陥った。このため、「旅の出発を彩るパッケージや素材などに徹底的にこだわり」(荻野洋社長)駅弁の原点回帰でV字回復を遂げた。

きっかけは、13年に発売した「大人の休日弁当」シリーズ。2200円と高価格ながら40〜50代の女性を中心に、1日に200個を売り上げるヒット商品に成長。それ以降、1300円以上の価格帯が牽引(けんいん)役となった。

都会では手に入らない地方の有名駅弁の人気も根強い。大手百貨店では全国の駅弁を集めた催しが今や集客の目玉だ。

京王百貨店は昭和41年から「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」を毎年開催。来客数がフロアにあふれ、17年からは出店ブースを一部減らして通路を広げ、広さ1500平方メートルの催事場スペースを1割拡大したほど。今年は1月10日から22日まで開催。13日間で6億円以上を稼ぎ出し「百貨店の物産展としては最大級」(同社)だという。

人気は北海道・函館本線森駅の「いかめし」や山形県・奥羽本線米沢駅の「牛肉どまん中」など、地方ローカル線の駅弁がランキング上位を占める。

ブームに沸く駅弁業界だが、大都市圏に安定した販路を持たない地方の零細な業者は苦境に立たされている。大手でも食材や包装材などの価格高騰で値上げを検討する企業もあり、ブームの維持には、新たな“仕掛け”が必要との指摘もある。

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