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大物役者ら顔見世 豪華な口上
「二月大歌舞伎」 松本幸四郎 追善で父をしのぶ
2008/1/30 産経新聞  東京朝刊 by 生田誠
「勧進帳」の弁慶、「忠臣蔵」の大星由良之助などスケールの大きな役を得意とし、戦後の歌舞伎を支えた初代松本白鸚(はくおう)をしのぶ、二十七回忌追善「二月大歌舞伎」が1日から、東京・東銀座の歌舞伎座で行われる。父・白鸚の当たり役だった「仮名手本忠臣蔵 七段目」の由良之助、「熊谷陣屋」の熊谷直実を受け継いで、追善の舞台で演じる長男、松本幸四郎に話を聞いた。


「父の追善をやることになったら、たくさんの方が出演したいと言ってくださった。本当にうれしい」

幸四郎は昨年12月、京都・南座に10年ぶりに出演し、「顔見世」の大舞台で父・白鸚(八代目幸四郎、1910〜82年)ゆかりの勧進帳・弁慶を務めた。ここで、「七段目」の舞台となった京都・祇園の風情をたっぷり味わったという。「10代のときの顔見世で、祇園のお茶屋を借り、父に『角力場』の放駒をけいこをつけてもらったことが思いだされます」と懐かしんだ。

口上には、次男の中村吉右衛門、孫に当たる市川染五郎や中村雀右衛門、尾上松緑が顔をそろえ、中村芝翫、中村富十郎らも出演する。

昼の部では「七段目」の由良之助を10年ぶりに務める。「(父は)仮名手本の由良之助、元禄忠臣蔵の内蔵助の両方がよかった。中でも、この七段目の由良之助は好きな役だったと思う。習ったことを、若いころはやりおおせなかったが、父の年齢に近づき、今まで積み重ねてきたものの味わいを出せれば」

夜の部では、「熊谷陣屋」の熊谷を演じる。「京都の南座で見た、父の舞台も忘れられません。制札の見得で父の熊谷の姿が舞台いっぱいに大きくなった。オーバーではなく、映画のクローズアップのように見えたあんな経験は他にありません。理屈抜きで大きな役者でした」

16歳のときに初めて演じた南座の弁慶役も950回を迎えた。

「8月には66歳になるので、半世紀というのが感無量。勧進帳を1000回できるということがうれしい」。今年は、弁慶役で通算1000回の偉業にも挑むことも話題になりそうだ。

25日まで。吉右衛門による「積恋雪(つもるこいゆきの)関扉(せきのと)」、染五郎による「春興鏡獅子」なども。問い合わせは(電)03・5565・6000。

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