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助産婦のもと出産
自分らしいお産に挑戦 命の力強さ実感
2008/3/5 産経新聞  東京朝刊 by 村島有紀
「自然なお産」というと、どんなお産を思い浮かべますか? 産む人が「自分らしい」お産をプロデュースするためのアドバイスをまとめた『わたしが一番輝くとき−自然なお産にチャレンジ!−』が出版された。ある家族の出産過程を追ったDVDが付けられ、生まれたての赤ちゃんが自力で母親の乳房までたどり着く様子も収録されるなど、命の力強さを感じさせる。

助言集出版
執筆したのは、元葛飾赤十字産院(東京都)院長で母性コンサルタントの進純郎(しん・すみお)医師、助産師で「ちほ助産院」(同)を開業している柳澤美香さん、東京電機大学先端工学研究所研究員で出産育児に伴う女性の脳の変化を研究している小谷博子さんの3人。進さんは、「食生活などの生活習慣をきちんとコントロールしていれば、お産の70%は助産師だけでできる」という。

自分らしいお産のために大切なのが「どんなお産をしたいか」を助産師や医療従事者に伝えるバースプランだ。

バースプランは、「自由な出産スタイルでお産がしたい」「リラックスのための音楽やアロマセラピーを許可してほしい」「陣痛促進剤を使わないでほしい」「夫立ち会い、家族立ち会いを希望」「出産後、すぐに家族で写真をとりたい」など具体的に列挙する。

意外に気がつかないのが、陣痛と出産のときに、いてほしい人の判断の仕方。「その人の前で吐いたりおならをしたりしても、気持ちが傷つかず、その後の関係に影響しない人」なら、お産に付き添ってもらっても安心できるが、そうでない場合は、自宅など離れた場所で待ってもらったほうがいいという。

もちろん出産の途中で赤ちゃんの心音が悪くなるなど、プラン通りの実行が困難な場合もある。その際には、すみやかに医療行為を行うことが大切だ。

助産師の手で
1989年にユニセフ、WHOが「母乳育児成功のための10カ条」を共同声明として発表したことなどにより、出産直後のカンガルーケア(生まれたての赤ちゃんを保育器に入れるのではなく、母親の胸に密着させるケア)は広まったが、その方法は、産院によってさまざまだ。同書によると、生まれた赤ちゃんが母親の乳房にたどり着くまでに必要な時間は50分から60分。全体で90分から120分は続けたいという。

DVDに登場する家族の場合は、産科病院内にある和室で夫や長女、自分の母親に見守られながら、助産師の手により出産した。おなかの上をはいながら、母の乳房を見つけた赤ちゃんは、ぱくっと力強く吸い始める。母親の瞳は、文字通りキラキラと輝き、喜びにあふれていた。

「母になる力」
執筆者の一人、小谷さんは自身の出産体験を通じて「出産は女性の人生の一大事なのに、あまりにも知らないことが多い」と感じたという。たとえば先日も、20代の女性アーティストの「35歳を過ぎたら、羊水が腐る」という発言が問題になった。胎児を包む羊水は、出産予定日経過などにより濁ることはあっても、加齢により腐ることはない。

小谷さんは「現代の女性は、自分らしく生きるのは上手なのに、出産については医者にお任せ。自分から積極的にどんなお産をしたいかを考えることから、自分のなかの“産む力”“母になる力”を引き出してほしい」と話していた。

『わたしが一番輝くとき』は医学映像教育センター刊、2520円。

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