MSN産経ニュース SANSPO.COM ZAKZAK iZA! FBi
ENAKってどういう意味? | お知らせ | 新聞バックナンバー購入 | 問い合わせ | リンク・著作権 | MOTO | MSN産経ニュース
店員やカード アジア・シフト
ミナミで買い物人気 来阪外国人200万人突破へ
2008/3/6 産経新聞  大阪夕刊
大阪を訪れる外国人が中国などアジア諸国からの観光で増加し、平成19年度は200万人の大台に乗る見通しであることが大阪府の推計でわかった。大型家電店や百貨店、ブランドやキャラクターのショップが密集するミナミが「短時間で買い物がしやすい」と人気を集め、店側も中国の銀行カード決済を導入したり、留学生をアルバイトに雇ったりと、“アジア・シフト”を強めている。東アジア経済の急成長を背景に、大阪は「観光商都」に姿を変えつつある。

「日本に観光で来る中国人はお金持ち。中国にないもの、特に玄米茶や煎茶(せんちゃ)は上海で人気です。何キロ、何十キロとまとめて買っていかれるお客さまもいます」

心斎橋筋商店街の大丸前の宇治園本店では昨年11月から中国出身の留学生、雷紅娟さん(31)が中国、台湾からの観光客の接客を一手に担っている。

創業130年の同店が、中国人スタッフを雇ったのは初めて。雷さん採用後、同店の売り上げは前年同期比で約10%伸び、日本人もなかなか買わない100グラム1万円といった高価なお茶も売れている。

大橋良弘店長は「うちに限らずミナミではアジアからの観光客に対応できるかがカギ。中国語のできるスタッフを置く店は増えていくでしょう」と話す。

商店街では中国の銀行が発行する銀聯(れん)カードの決済を導入する店が増加しており、観光マップには利用可を示すマークがずらり。堺筋周辺では中国人中心、韓国人中心などターゲットを絞り込んだホテルの色分けも進んでいる。

旅行会社の関係者によると、家電は秋葉原、ブランドは銀座、繁華街は新宿と分散する東京に比べ、ミナミは「団体の2〜3時間の買い物に最適」で、心斎橋の大丸・そごう前などが集合場所になっているという。

国際観光振興機構によると、大阪を訪れる外国人は平成16年度の157万人から急激に増え、18年は30万人増の187万人。うち韓国が約59万人と最多だが、中国は前年から約6万人増えて約36万人を数え、台湾の約31万人を逆転した。

19年度は未確定ながら、府は関西国際空港の出入国者数が14〜16%程度伸びていることから、「205万人か、それ以上になるのは確実」とみている。特に、春節(旧正月)にあわせて旅行する習慣がある中国からの旅行客の伸びが際立ち、「今年の1、2月は昨年より5割増になった」(旅行会社)という。

また、生徒間の交流のため府内の学校を訪れた海外からの修学旅行生も、16年度の128人から19年度はすでに1万人を突破するなど、伸びは著しい。

これらの背景として見逃せないのは、府が17年度から取り組んでいるキャンペーン。「ビジット大阪」と銘打ち、中国や台湾、韓国などの政府関係者、旅行会社などに直接、大阪を売り込んできた。

日本の外国人観光に関しては長く「関西で観光、東京で買い物」というパターンが続き、「大阪には金が落ちない」のが定説だったが、府は周辺府県と協力して中国の旅行会社に広告費の一部を援助するなど、関西をツアーの最終地にするプラン作りを促進。「大阪の商売関係者も中国の観光客をより意識し始めている」(府観光振興課)という。

携帯版SUMiRE STYLE スミレモバイル登場




産経新聞社から記事などのコンテンツ使用許諾を受けた(株)産経デジタルが運営しています。
すべての著作権は、産経新聞社に帰属します。(産業経済新聞社・産経・サンケイ)
Copyright(C)2008 SANKEI DIGITAL INC. All rights reserved.

ここは記事のページです
携帯で読むSUMiRE STYLE