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時代を映して１９年目
ＴＢＳ系ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」橋田、石井に聞く
2008/3/13 産経新聞
東京朝刊 by 松本明子
平成２年の放送開始から今年１９年目を迎えるＴＢＳ系人気連続ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」の第９シリーズが４月３日からスタート（木曜後９・０、初回は２時間スペシャル）する。原作者の橋田壽賀子とプロデューサーの石井ふく子が新シリーズに賭ける意気込みを語った。
「２人合わせて１６０ウン歳ですからねえ。こんなに仕事してるのないわよねえ、ハハハハ」と甲高い声を張り上げる橋田に石井は苦笑いだ。
１９年前、２人でタイ旅行に出かけた。そのときの打ち合わせで生まれたドラマが「渡る世間−」。「１回で終わると思っていた」（橋田）作品が１９年も続いてしまった。岡倉大吉と５人の娘たち、そしてその家族の生活を追いながら、日々の暮らしの中で抱える問題を描いていく。
そこにあるのは仕事、恋愛、結婚、子育て、老後といった身近な題材ばかりである。春を迎えた中華料理店「幸楽」に今回はどんな出来事が待ち受けているのだろうか。
「私のドラマは時代を映す。時代が書かせてくれるんです。ですから新聞は隅から隅まで読みます。最近では食料品偽装にまつわる内部告発の話や団塊の世代のおやじバンドの話題など、これらのこともドラマに生かしていきたいと思っています」と橋田。
一方の石井は「この１０年の間で世の中は随分と変わってきた。ただいま、おかえりというなんでもない言葉が今聞かれない。それを橋田さんのドラマは振り向かせてしゃべらせてくれる」。
２年１０月に第１シリーズが始まり、ほぼ２年おきにシリーズを重ね、これまでの平均視聴率は１８〜２６％（ビデオリサーチ調べ、関東地区）と驚異的な数字を維持している。視聴率についてはどう思っている？
「“視聴質”が重要だと思う。中身がよくないのはダメ。きちんとしたドラマがあって視聴者がきちんと受け取る」と石井は話す。橋田は「大事ですね。原稿料が上がるかもしれませんし」と笑わせながら「『斉藤さん』（日本テレビ系）なんてドラマはよくしゃべって怒ってますよね。好みの問題もありますが、私は好きです。徹底的に話す、それが向き合うということ」。
今回のポスターには出演者５３人が並んだ。「スタッフも出演者も技量が問われている」と２人は声をそろえる。８２歳の橋田、１歳下の石井。国民的ホームドラマを支える二人三脚の旅はまだまだ続きそうだ。
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| 息ぴったりの橋田壽賀子（右）と石井ふく子のコンビ。当初、橋田は「１回で終わると思っていた」という |
「２人合わせて１６０ウン歳ですからねえ。こんなに仕事してるのないわよねえ、ハハハハ」と甲高い声を張り上げる橋田に石井は苦笑いだ。
１９年前、２人でタイ旅行に出かけた。そのときの打ち合わせで生まれたドラマが「渡る世間−」。「１回で終わると思っていた」（橋田）作品が１９年も続いてしまった。岡倉大吉と５人の娘たち、そしてその家族の生活を追いながら、日々の暮らしの中で抱える問題を描いていく。
そこにあるのは仕事、恋愛、結婚、子育て、老後といった身近な題材ばかりである。春を迎えた中華料理店「幸楽」に今回はどんな出来事が待ち受けているのだろうか。
「私のドラマは時代を映す。時代が書かせてくれるんです。ですから新聞は隅から隅まで読みます。最近では食料品偽装にまつわる内部告発の話や団塊の世代のおやじバンドの話題など、これらのこともドラマに生かしていきたいと思っています」と橋田。
一方の石井は「この１０年の間で世の中は随分と変わってきた。ただいま、おかえりというなんでもない言葉が今聞かれない。それを橋田さんのドラマは振り向かせてしゃべらせてくれる」。
２年１０月に第１シリーズが始まり、ほぼ２年おきにシリーズを重ね、これまでの平均視聴率は１８〜２６％（ビデオリサーチ調べ、関東地区）と驚異的な数字を維持している。視聴率についてはどう思っている？
「“視聴質”が重要だと思う。中身がよくないのはダメ。きちんとしたドラマがあって視聴者がきちんと受け取る」と石井は話す。橋田は「大事ですね。原稿料が上がるかもしれませんし」と笑わせながら「『斉藤さん』（日本テレビ系）なんてドラマはよくしゃべって怒ってますよね。好みの問題もありますが、私は好きです。徹底的に話す、それが向き合うということ」。
今回のポスターには出演者５３人が並んだ。「スタッフも出演者も技量が問われている」と２人は声をそろえる。８２歳の橋田、１歳下の石井。国民的ホームドラマを支える二人三脚の旅はまだまだ続きそうだ。
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