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「靴から肌着まで」松屋銀座
百貨店ブランド復活「上質なのに手ごろ価格」
2008/3/17 産経新聞  東京朝刊 by 八並朋昌
紳士服を中心に屋号ネームの“百貨店ブランド”が復活してきた。昭和50年代後半からの有名ブランド人気で影が薄れていたが、「信頼感と上質さを良心価格で」という声に応え、各店が力を入れ始めたのだ。たまに百貨店に行っても、有名ブランドに圧倒されていたおじさん世代には朗報だ。

上質さを感じさせる屋号ネームで大人気となった松屋謹製パジャマ
上質さを感じさせる屋号ネームで大人気となった松屋謹製パジャマ

「百貨店に行くと有名ブランドのテナント売り場に圧倒されて、百貨店ブランドは見つけられなかった。上質で良心的な価格が好きなんだけど…」と、40代男性は打ち明ける。

「確かにそういう男性は少なくない」と松屋の銀座本店広報、大木幸生さん。「5階は全部紳士向けで靴から肌着までそろえ、自社製品もわかりやすいよう中央に自社運営の売り場を広く取り、男性でも買いやすくしています」

昨年発売の自社製パジャマは、ネームタグに懐かしい松鶴印と「松屋謹製」の文字。「呉服店が前身の松屋らしさと上質さを強調しました」。価格は1万4700円と、同クラスの有名ブランド品の3分の2。30代以上に大人気で「今年も新作が出ます」。

ネクタイは「MATSUYA」ネーム。流行に左右されない柄を約50種そろえ、価格は5250円。有名ブランド品なら8000円以上相当だ。

背広は英「ハーディー・エイミス」に特注して「リコメンドM(松屋お薦め)」のダブルネームで5月にも発売する。

高島屋は「屋号ネームは注文服やオリジナル靴(2万6250円〜7万5600円)などかなり上質なものに限り、一般の自社製はラフィネールアッシュなどのブランド名にしていました」と広報担当の花井宏演さん。それが昨秋登場の「オム・メゾン」には「TAKASHIMAYA」と入れた。「感性の高い商品を高島屋として自信をもって提案する姿勢を前面に出しました」という。

百貨店ブランドについて関係者は「昭和50年代後半からの有名ブランド人気で影が薄れたが、逆に今は有名ブランドだらけ。上質でも手ごろな価格で、歴史の重みも感じさせる屋号ネームの百貨店ブランドが見直され始めた」とみる。

地方百貨店も同様だ。山形市の大沼本店も紳士向け売り場は有名ブランドがひしめき、自社売り場は6分の1。「大沼にしかないものがほしいというお客さまが多く、社内には自社売り場や製品の再拡充をという声が出ています」と、営業企画部の佐藤竜也さん。

三越も紳士向け売り場は有名ブランドが大半で、日本橋本店でも自社売り場は2割ほど。自社製品は「ドーランドハウス」名で展開し、背広なら同質の有名ブランドより2万円ほど安いが、三越ブランドとわかりにくいため、店員が客に直接説明しているという。

ただ、靴と肌着は「MITSUKOSHI」ネームで展開。特に肌着(800円〜7万3500円)は80年の歴史を誇り「デザインは定番ですが、極上の肌触りと通気性で、30代以上のお客さまに人気です」とマネジャーの岩田幹生さん。

伊勢丹は新宿本店メンズ館などで、一昨年秋から自社開発品に初めて屋号を冠した「ISETAN MEN’S」レーベルで、約500種を展開。「有名ブランドにはないものを、価格以上の上質さで提案しています」(広報)という。

松屋の大木さんは「百貨店の自社売り場は、経験豊富な社員がお客さまに合ったものや新しい着こなしなどを提案できますので、ぜひご活用ください」と話している。

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