MSN産経ニュース SANSPO.COM ZAKZAK iZA! FBi
ENAKってどういう意味? | お知らせ | 新聞バックナンバー購入 | 問い合わせ | リンク・著作権 | MOTO | MSN産経ニュース
年金分割制度導入 間もなく1年
熟年離婚、案外増えず 
2008/3/18 産経新聞  大阪夕刊
離婚時に厚生年金や共済年金の報酬比例部分を夫婦で分割できる「合意分割制度」が昨年4月に導入されて間もなく1年。離婚が爆発的に増えるのではないかとの指摘もあったが、それほど影響しなかったとの見方も出ている。一方、この4月1日以降は、新たに「3号分割制度」がスタート。サラリーマンらの被扶養者(専業主婦や主夫)として厚生年金や共済年金に加入する「3号被保険者」期間分に相当する報酬比例分を、請求に基づいて自動的に夫婦が50%ずつ分割する制度だ。


離婚は増えず
厚生労働省によると、昨年4月から2カ月は離婚数が前年同月比で増加したが、昨年1年間の推計値は25万5000件で、前年より2400件減。内訳は不明なため熟年離婚が増えている可能性は否定できない。ただ、離婚分割による年金額が予想以上に少ないことを知って、踏みとどまった人が多いとの見方もある。

年金の離婚分割は平成16年の年金改革で導入が決まった。夫婦の年金合計額の半分を限度に分割できる。従来は、自分の基礎年金部分しか保証されていなかった妻には“朗報”だと受け止められた。離婚件数が15年から18年まで連続して前年から減ったことから、「待機組の離婚が急増するのでは」とみられていた。

“落とし穴”も
夫の年金がそのまま半分に分割できるわけではないという“落とし穴”が、離婚を思いとどまらせているという指摘がある。分割の対象には夫の基礎年金は含まれず、その上、婚姻期間相当分に限られるのだ。

50代のA子さんの場合、月40万円近い夫の年金を当てにして離婚を検討。しかし、実際に計算してもらうと月10万円程度にしかならないことが分かり、離婚に踏み切らなかった。

東京家族ラボ心理研究所の池内ひろ美さんは「生活を考え、離婚をあきらめた人も多いのでは。高齢期の親が別れることで、子どもに介護や医療で必要以上に負担をかけたくないという判断もある」と話す。社会保険庁によると、今年1月まで年金分割は7868件だった。

4月から始まる自動分割については、夫の同意や裁判所での手続きがなくても、報酬比例分のうち4月1日以降の婚姻期間分が自動的に2分割される。ただ、それ以前の分は同意などが必要で、新制度の影響が出てくるのはまだ少し先になりそうだ。

携帯版SUMiRE STYLE スミレモバイル登場




産経新聞社から記事などのコンテンツ使用許諾を受けた(株)産経デジタルが運営しています。
すべての著作権は、産経新聞社に帰属します。(産業経済新聞社・産経・サンケイ)
Copyright(C)2008 SANKEI DIGITAL INC. All rights reserved.

ここは記事のページです
携帯で読むSUMiRE STYLE