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サラリーマン悲哀共感
「たいやきくん」ゲーセンで釣られ人気復活 
2008/3/29 産経新聞  東京朝刊
33年前のレコードのジャケットを再現した、「およげ!たいやきくん」のCD
日本で最も売れた歌謡曲「およげ!たいやきくん」が再びブームの兆しをみせている。今月5日にCDが再発売されると、徐々に売り上げを伸ばし、31日付の最新のオリコンチャートでは19位に。曲がヒットした昭和50年ごろには、たい焼き店に行列ができるなどしただけに、店主らは「歌がヒットし、子供たちに買いにきてほしい」と期待を寄せている。

「およげ!たいやきくん」は50年12月に発売され、これまで約455万枚を売り上げ、日本で最も売れた曲として知られている。ギネスブックにも「日本人のアーティストが歌う最も売れたシングル曲」と認定されている。

曲のヒット当時、オイルショックの影響で景気が悪化。51年には田中角栄元首相が逮捕されたロッキード事件が発覚するなど閉塞(へいそく)感が漂う中、「まいにち、まいにち」「いやになっちゃうよ」などと悲哀に満ちた歌詞がサラリーマンの共感を呼んだ。

再発売のきっかけは昨年末、「たいやきくん」のぬいぐるみがクレーンゲームの景品に登場したことだった。愛らしいぬいぐるみが人気を呼び、発売元のポニーキャニオンに「今でもCDを売っているのか」と問い合わせが相次いだ。このため、同社は再発売を決定。当時のレコードジャケットを忠実に再現し、テレビで流されたアニメーション画像のDVDを特典として付けたところ人気が再燃した。今月5日の再発売後、オリコンチャートの順位は着実に上がり、最新のチャートでは19位にまでなった。

同社によると、購買層は30、40代が中心で「大人になってもう一度聴くと、味わい深い歌詞の意味が分かった」などと感想が寄せられており、曲がヒットした当時と同じような閉塞感を、現在のサラリーマンも感じていることがうかがえる。担当ディレクターの佐藤信太郎さん(34)は「時代が変わっても聴く人を共感させ、ひきつける魅力がある」と話す。

曲が再びヒットしたことに合わせ、たい焼きの人気も上昇。首都圏ではたい焼き専門店の新規オープンが相次ぎ、老舗店の客足も増えている。近畿でたい焼き店などを展開する兵庫県西宮市の「サザエ食品」は「『だんご3兄弟』のヒットで団子の売り上げが伸びた。『およげ!たいやきくん』のリバイバルにも期待は大きい」と話している。

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