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地域ブランド追い風
「YOKOHAMA CLUB」 横浜高島屋が独自展開
2008/5/2  産経新聞東京朝刊 by 田中幸美
横浜高島屋が単独で開発したプライベートブランド(PB)「YOKOHAMA CLUB(ヨコハマクラブ)」が話題を呼んでいる。神奈川県内の8企業などとコラボレートした婦人服や雑貨、約50アイテム計200点をラインアップ。百貨店やスーパーごとのPBは多数あるが、1店舗だけのPBは全国でも珍しいという。同ブランド自体は昭和62年に誕生、平成14年から休止状態だったが、食品を中心とした地域ブランド全盛の流れと、顧客からの復活を望む声を受けて復活した。

ヨコハマクラブの商品はいずれも港町、横浜をイメージした「アドミラルブルー」が基調色=横浜高島屋
ヨコハマクラブの商品はいずれも港町、横浜をイメージした「アドミラルブルー」が基調色=横浜高島屋


同店1階に今春リニューアルオープンしたショップは、「横浜モダンスタイル」というコンセプトで統一され、“港町ヨコハマ”をイメージしたブルーが基調の商品が目立つ。

縫製にこだわる「メーカーズシャツ鎌倉」や全国的な人気のビーチサンダル店「葉山げんべい」など地元8ブランドのほか、全国展開のブランドと共同開発した商品を取り扱う。ほとんどが、同店でしか手に入らない。地元の塗装屋さんとのコラボで、自転車ファン垂涎(すいぜん)のブランド「ルイガノ」をベースに有機溶剤を使わない塗料をコーティングしたヨコハマクラブ仕様の自転車も並ぶ。

十数年前に手に入れたヨコハマクラブのスカートが今もお気に入りという横浜市瀬谷区の主婦(69)は「以前とちょっと感じが違うけど、横浜のイメージにあっているし、価格もお手ごろ」と話す。

ヨコハマクラブ仕様のルイガノの自転車と、兵庫県豊岡市にあるファイバー製カバンのメーカーとコラボしたスーツケース
ヨコハマクラブ仕様のルイガノの自転車と、兵庫県豊岡市にあるファイバー製カバンのメーカーとコラボしたスーツケース


ヨコハマクラブは横浜博覧会を翌年に控えた昭和62年、全国から訪れた客に横浜ならではの商品を提供しようと同店が企画。「ヨコハマトラディショナル」をコンセプトに、婦人服や雑貨などを中心に約50アイテムをそろえていた。

時計やウイスキーなどが人気を呼び、平成7年のピーク時には2億円の売り上げがあった。しかしいつしか、ラインアップが“売りたい”商品から“売れる商品”に変わり、同社PBとの境目がなくなるなどしたため、14年から休止していた。

顧客から復活を望む声が日増しに高まるとともに、来年は開店50周年、横浜あげての祭典となる「横浜開港150周年」の節目を迎えることからリニューアルオープンした。

百貨店の広告キャンペーンに長くかかわり、神戸コロッケや銀座カリーなど地域発のナショナルブランドを多数手がけたグラフィック・デザイナーの中川憲造さん(61)が総合監修を担当。中川さんは「横浜の歴史はわずか150年だが、今までになかった食べ物が生まれるなど、西洋と最も濃密な出合いをした町」という。

地域特有の「食」をはじめ、地域ブランドは広がりをみせているが、地域を総合したPBは少ない。同社は京都店でも単独のPBを開発したが定着しなかったという。中川さんは「地域ブランドはそもそもローカルなもの。しかしミラノなどに匹敵するローカルブランドを作り上げる可能性を持つ」と期待を込める。

ヨコハマクラブ復活の推進役となった同社MD本部の秋山弘昭さん(55)は横浜生まれ、横浜育ち。「新しく市民となった人を含めて、横浜人は横浜に対する思い入れが強い。以前のヨコハマクラブの認知度に負けないよう作り上げていきたい」と意気込みを語る。来年までに、さらに地元3、4社とのコラボを実現させるという。

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