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暖かいから落ちやすい
欧米流に春の大掃除はいかが?
2008/5/16  産経新聞東京朝刊 by 中曽根聖子
日本では年末の“行事”とされている大掃除だが、欧米では春から初夏にかけて行う習慣があるという。確かに寒くて水が冷たい冬よりも、気候の良いこの時期は水回りの掃除に最適。梅雨入り前のカビ対策を兼ねて、今度の週末は浴室やキッチンなどの掃除にトライしてみては?

主婦7割が支持
INAXが今年3月、東京在住の主婦100人を対象に行った大掃除実態調査によると、欧米流の「春掃除」を良いと答えた人が7割。「窓を開け放しても寒くない」(89・7%)、「暖かいので体を動かしやすい」(86・8%)、「季節の変わり目なので衣替えや荷物の整理と一緒にできる」(63・2%)など、その合理性が支持の理由だ。

『くらしくりえいと−ラクして楽しい毎日のヒント』などの著書がある生活コラムニスト、ももせいづみさんも、10年ほど前から春の大掃除を実践している。「以前は大掃除は年末にするものと思い込んでいたが、暖かい今の時期にやるほうが合理的だと気づいた。頑固な油汚れが落ちやすいので、洗剤の使用量も掃除の労力も少なくてすむ。カビの繁殖期となる梅雨入り前に汚れを一掃しておけば、カビ対策もできて一石二鳥ですよ」とメリットを説明する。

梅雨前にカビ対策
カビが発生しやすい3条件とされるのが栄養と湿度、温度だ。「ビルクリーニング技能士」の国家資格をもつINAXビルサービスの皆川貞香さんは「とりわけ浴室は、体を洗ったあとに出る皮脂やアカがカビの栄養源となるので、日ごろから汚れを落としてカビをはやさないようにすることが大切」と指摘する。

はさみでさいの目状に切り込みを入れたスポンジは、風呂フタの溝などの掃除に便利
はさみでさいの目状に切り込みを入れたスポンジは、風呂フタの溝などの掃除に便利


具体的な対策としては、皮脂やアカなどを温水のシャワーで洗い流し、次に冷水のシャワーを浴室全体にかけて室温を下げ、水滴をふきとり、換気扇を回して浴室を乾燥させる。これを毎日最後に入浴した人が実行することで、カビが生えにくくなるという。

すでにカビが生えていたら、いきなりカビ取り剤を使わず、まずは使い古しの歯ブラシに練り歯磨きをつけてこすってみよう。粒子が細かい練り歯磨きは、素材を傷つけずに汚れが取れる。タイルの目地にできた小さなカビは、砂消しゴムでこすり取る。皆川さんは「汚れを除去したあと、目地にろうそくを塗っておくと水をはじき、カビがつきにくくなる」とプロの技を伝授する。

バスタブの掃除には酢も便利だ。30度くらいに温めて霧吹きでバスタブに噴霧し、少し時間を置いてから柔らかいスポンジでこすり落とすのがコツだそうだ。

キッチンの気になる汚れの大半は油汚れ。コンロの五徳や受け皿などは、大きな鍋に入れてぐつぐつ煮込むと汚れが自然に分離していく。ステンレスシンクは、排水口をふさぎ炭酸水(無糖)をいれて柔らかい布やスポンジで磨くとピカピカになるという。

スポンジにも種類が
水回りの掃除で活躍するのがスポンジだが、意外と知られていないのがその使い分け。「スポンジにも種類があり、色が濃いほど固い。樹脂素材のバスタブや便器を傷つけないよう、場所にあわせて選ぶことが大切」と皆川さん。ガラス・水栓金具は柔らかい黄色や白のスポンジ、便器やタイルには少し固い緑色。茶や紺色はレンジフードの油汚れに適している。

また、風呂のフタやアルミサッシの溝の掃除には、スポンジにさいの目の切り込みを入れると細部に密着して汚れをきれいに落とせる。

皆川さんは「お掃除は意気込んで完璧にやろうとするより、楽しむことが大切。家庭にある小道具を使うなど、無理のないやり方を工夫して」とアドバイスしている。

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