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欧州の時計にない機能、デザイン
高級感時計 相次ぐ発表 日本メーカー
2008/5/19  産経新聞東京朝刊 by 小川真由美
日本の時計メーカーが元気だ。今年4月にスイス・バーゼルで開かれた時計見本市「バーゼルワールド」にカシオ計算機が7年ぶりに登場。シチズン時計、セイコーウオッチ両社もスポーティーながら高級感あるデザインの時計を発表した。各社とも欧州の時計にはない機能とともに、デザインに力を入れて高級感をアピールしている。

カシオ計算機の「オシアナス」の新作「カシャロ」。6月10日発売、11万5500円(上) シチズン時計「アテッサ ジェットセッター」。13万6500円(中) セイコーウオッチ「グランドセイコー スプリングドライブ ダイバーズウォッチ」。59万8500円
カシオ計算機の「オシアナス」の新作「カシャロ」。6月10日発売、11万5500円(上) シチズン時計「アテッサ ジェットセッター」。13万6500円(中) セイコーウオッチ「グランドセイコー スプリングドライブ ダイバーズウォッチ」。59万8500円
「バーゼルワールド」は世界約40カ国2000社以上が新作を披露する時計の国際見本市。カシオは7年ぶりに4ブランド計約80点の新作を披露。今回初めて、欧州の時計専門誌などマスコミ10社を集めた説明会を開いた。

注目を集めたのは、上質なクロノグラフ時計(ストップウオッチつき時計)を目指す「オシアナス」。オシアナスの新作「カシャロ」(OCW−P500)は、20気圧の防水時計ながら厚みを抑えてビジネスシーンに使えるのが特徴。従来の10気圧から20気圧にする場合、普通は5ミリ程度本体が分厚くなるが、デジタル技術を応用して内蔵機械を薄くすることで、防水性とスタイリッシュなデザインを両立した。

同社海外営業統轄部の田中徹課長は「デジタル製品のイメージが強いカシオが、すべての部品製作から製品デザインまで“手仕事”による自社一貫生産だと知ってもらえた」と話す。

また、G−SHOCKのバーゼル出展記念モデル「MRG−8000RG」(限定100本)も話題になったという。日本、欧州、北米計5局受信の電波時計。表面が柔らかく塗装がはがれやすいチタンに別コーティングを施す硬化処理を行った。さらに各パーツを個別に研磨して微妙な質感を演出。文字盤に18金、ベゼル(ガラス周囲のリング)部分に機械式時計に多用されるマイナスのビスを使うなど高級感を出している。田中課長は「今後も機能美でカシオならではの時計を出していく」と話す。

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電波時計で一歩リードするのがシチズン。5年前に中国河南省商丘市に45%を出資して建設した電波塔が完成。国内で今月22日に発売される「アテッサ ジェットセッター」は、日本と欧州、北米に加えて、中国でも受信可能な世界初の電波時計。中国での受信半径は約1500キロで北京や上海、香港、台湾までカバーする。

ボタン一押しでアナログとデジタルの時間表示の切り替えができるほか、デザインでは秒針などの色をオレンジにしてスポーティーなイメージをアップ。リューズガードなど別パーツを多用して立体感を出した。同社宣伝部の山田幸男課長は「技術革新で電波時計のデザインの幅が広がった。勝負はこれから」と意気込み十分だ。

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セイコーはグランドセイコーブランドから「スプリングドライブ ダイバーズウォッチ」を発表(6月上旬発売予定)。スプリングドライブとは機械式時計と同様にぜんまいで駆動しながら、クオーツ時計の技術を生かし、一定速度で針を動かす同社独自の技術。誤差は月15秒前後(機械式は1日で15〜20秒)という高性能な上に今年は200メートル防水性を付加した。

回転ベゼルの文字を彫刻してから塗装したり、針にチタンを採用するなど見やすさと高級感を両立させた。同社広報宣伝部の原教人主事は「高級時計の分野ではチャレンジャーだが、スイス製にはない性能とデザインで対抗したい」と話している。

欲しいブランドは欧州製
スイス時計協会が日本で10万円以上の腕時計に興味のある人を対象に実施した調査によると、所有する腕時計の金額は平均15万6000円。所有するブランドは(1)セイコー40・1%(2)カシオ24・7%(3)シチズン17・5%。だが、欲しいブランドとなると(1)ロレックス33・3%(2)オメガ32・2%(3)カルティエ26・8%と上位を欧州勢が独占。セイコーは5位、シチズンが10位、カシオが11位と後退する。腕時計の購入予算が30万円以上の人は48%に上り、2年前の14%から急増。これを受けて、国内メーカーの時計は高級志向が強まっている。

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