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多彩な「星ワールド」 再び脚光
NHK10分番組「星新一SS」好評
2008/5/26  産経新聞大阪夕刊 by 安田幸弘
SF作家、星新一の作品を映像化したNHK総合テレビの10分番組「星新一ショートショート」(月曜後10・50)が好評だ。“奇妙な味の大人の童話”がキャッチフレーズで、ほろりとさせる人情ものからブラックユーモアまで、多彩な「星ワールド」に再び光があたっている。生涯で1000話以上の作品を残した星はショートショートの神様といわれ、奇抜な発想や奥行きのある作風が人気を呼んだ。多くの作品が今でも読み継がれている。

番組の発案はNHKエンタープライズの中西利夫シニア・エグゼクティブ・プロデューサー。星の没後10年だった昨年、作品を読み直し改めて魅了されたという。

特徴のひとつは「国籍も地名も固有名詞もほとんどない無国籍性」だ。

「だから外国でも翻訳されている。それに、今読んでも新しい。今だから分かる深さや面白さがある。構成のうまさは落語に通じるものがあると思う。しゃれっ気やストンと落ちるオチ。なるほどなあというのがありますね」

昨年11月、試験的にアニメと実写を織り交ぜて5作品を放送したところ「こういう番組を待っていた」など多くの反響があり、今年4月からのシリーズ化が決まった。

10分のうちアニメが2話と実写が1話。各3分前後で、アニメは20、30代の若手クリエーター約20人に依頼。「原作のテーマ性、メッセージ性を絶対に損なわない」ことを心がけているという。

空から落ちてきた謎の物体をめぐる「調査」など独特の寓意(ぐうい)性に富んだ作品のほか、新婚夫婦が別々にみていた夢の結びつきを温かなタッチで描いた「さまよう犬」などが、これまで放送された。

公式ホームページでの反響も多く、今年度は計75作品を放送予定。今後も、言葉を話さない少女と老紳士のメルヘン風の物語「月の光」などの作品が続く。

中西プロデューサーは「小説の世界も万華鏡のようですけど、星さん自身も万華鏡のような人だったと思う。若い世代にも見てほしい」と話す。

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