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「ラルシュ」総料理長の柳舘功さんに聞く
鍋一つで簡単フレンチはいかが
2008/5/27  産経新聞東京朝刊 by 小川真由美
柳舘功さん
柳舘功さん
フランス料理というと、手が込んでいて家で作るのは難しいと思いがちだが、東京・霞が関のレストラン「ラルシュ」総料理長の柳舘功さんは、自宅の鍋を使ったフランス料理の良さを強調している。鍋一つでおもてなし料理にもなる簡単でおしゃれなフランス料理を教えてもらった。

柳舘さんは中央大3年の時に食べたフランス料理に衝撃を受けてこの道に入り、24歳で渡仏。平成2年に帰国するまでに7軒のフランス料理店で経験を積んだ。その間に最も感銘を受けたのがレストランのまかない料理だったという。柳舘さんは「正統のフランス料理もいいですが、安い食材や残った材料を使って最高の一皿を作れるのがフレンチの奥深さ。その代表格が鍋料理です」と話す。

おすすめは野菜たっぷりのラタトゥイユ。トマトで野菜を煮込むフランスの代表的な家庭料理だ。冷蔵庫で半日冷やすと、さらにコクが出るという。密閉容器に入れて冷蔵庫で保存すれば最低でも4、5日はおいしく食べられる。

ラタトゥイユ

もちろん熱いまま肉や季節の魚と合わせてもよく、今ならイサキやスズキ、アジにもぴったりだそうだ。「野菜の苦手な子供でも、トマトがよく絡んで食べやすい。使い勝手がいい料理なので、慣れると自然にレパートリーが増えますよ」と柳舘さん。

一方、肉をしっかり食べたい人にはボリューム満点の「鶏のグランメール」はいかが。野菜が鶏のうまみを吸ってふっくら仕上がる。グランメールはフランス語でおばあちゃんの意味で、“おふくろの味”といったところか。丸のままの若鶏が手に入らなければ、骨付きのもも肉で代用可能だそうだ。

鶏のグランメール

フランスの鍋料理の最大の特徴は水をほとんど使わない点。ほうろうや鉄などの底が平らで厚みがある保温性が高い鍋を使うので、食材の持つ水分で蒸し煮ができ、素材のうまみを100%生かせるという。

さらにホームパーティーでは、鍋料理はそのまま食卓に出せるのがうれしい。黒やグレーなどシンプルな色の鍋の方が野菜の色が際立ち見栄えがするとアドバイス。柳舘さんは「フランス料理には手軽にできるメニューが豊富だし、鍋料理ならテーブルに出すだけでゴージャスになりますよ」とアピールしている。

「野菜たっぷりのラタトゥイユ」
《材料=4人分》
トマト中2個▽ホールトマト100グラム▽タマネギ1/2個▽赤・黄色ピーマン各1/2個▽ズッキーニ1本▽ナス2本▽タイム2枝▽ローズマリー1枝▽ローリエ(ドライ)1枚▽ニンニク1 1/2かけ▽オリーブ油、塩・こしょう各適量

《作り方》
〔1〕トマトは湯むきし、種と果肉とに分ける。種の部分はこして果汁を集め、果肉はざく切りする。
〔2〕鍋にオリーブ油を熱し、薄切りにしたにんにく1かけ分を入れていため、(1)の果肉を加えていためる。さらに(1)の果汁とホールトマトも加え、木べらでトマトを崩しながら量が1/3くらいになるまで煮詰める。
〔3〕フライパンにオリーブ油を熱し、薄切りニンニク1/2かけ分、タイム1本、小分けしたローズマリーをいためて香りをつけ、2センチ角に切ったタマネギ、ピーマン、ズッキーニ、ナスをそれぞれいため、塩・こしょうで調味する。
〔4〕(3)の野菜をすべて(2)の鍋に入れ、残りのローズマリー、タイム、ローリエを加えて弱火で20〜30分ふたをしながら煮る。塩・こしょうで味を調え、火からおろして粗熱を取る。冷蔵庫で半日寝かせる。

「鶏のグランメール」
《材料=4人分》
若鶏1羽▽じゃがいも2個▽小タマネギ8個▽タイム1枝▽ローズマリー1枝▽塩・こしょう各適量

《作り方》
〔1〕若鶏をさばき、胸肉ともも肉を2等分する。それぞれに塩・こしょうをし、フライパンで表面がきつね色になるまで焼く。
〔2〕皮をむいて食べやすく切ったじゃがいもと、皮をむいた小タマネギ、(1)を鍋に入れる。
〔3〕タイム、ローズマリーをのせてふたをし、250度のオーブンで20〜30分間蒸し焼きにする。

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