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2月11日(火)ENAK original 有橋淑和*ロングインタビュー(1)

ェンバロという鍵盤楽器はクラシックの世界でもとくに歴史は古く、「古楽器」と呼ばれている。振り返れば、なるほど、チェンバロの実演に接した記憶は、ない。有橋淑和は、そんな楽器を思い切りモダンに響かせる、新しい演奏家だ。デビューアルバムCD「チェンバロ・レボリューション/Cembalo Revolution
〜petite romance〜」(キングレコード/KKCC-3004/\2,800)は、ディズニーランドの「エレクトリニカル・パレード」の音楽から日本の作曲家、伊福部昭が書き下ろしたものまで、実にさまざまなタイプの曲が収められている。そのどれもがチェンバロのために書かれたものだというから、このガキも奥が深そうだ。クラシックはいまひとつ苦手のENAK編集部。おそるおそるのインタビューに登場したのは可憐な女性。ニコニコ笑顔で答えてくれたが、楽器に「とりつかれた」と語る、言葉のはしはしに演奏への強い意欲がうかがえた。

interview,photos & text by Takeshi Ishii
取材・撮影・構成 石井健
ピアノを弾くには手が小さすぎたんです

−−恥ずかしながらうかがいますが、チェンバロとピアノの違いってなんですか?

チェンバロは、18世紀まではとても人気があって日常的な楽器だったんですね。それが19世紀以後、廃れるんです。ピアノができたことで影を潜めることになります。両者は建機盤楽器である点は一緒です。ピアノは金具を使っていますが、チェンバロはすべてが木で作られています。

−−なるほど。

それからピアノが弦をハンマーでたたいて音を出しているのに対し、チェンバロはつめで弦をはじくのです。その結果、音量に強弱がつかない。これが一番大きな違いかもしれないですね。ピアノのようなふっとペダルはついていないんですよ。逆にいうと強弱がつかないからこそ、いかに表現するかがポイントになるわけです。

−−難しそうですね

そこをクリアするには練習が必要ですね。「ここは大きく」「ここは小さく」と念じ、楽器と呼吸を合わせることで“表現させる”んです。

  有橋淑和有橋淑和(ありはし・すみな) 埼玉県生まれ。4歳から母親の手ほどきでピアノを始める。7歳で武蔵野音楽大学付属音楽教室入室。13歳で桐朋学園大学付属子供のための音楽教室入室。同教室卒業演奏会出演。桐朋学園女子高校音楽科入学。ピアノを学ぶ。日本ピアノコンクール最優秀賞、ピティナコンクール入選、日本ピアノ教育連盟ピアノオーディション入選、同オーディション特級取得。高校3年生(18歳)でチェンバロに出合う。桐朋学園大学演奏学科古楽器科チェンバロ専攻入学。同大学研究科修了。ブラビシモ クラシカ 2001コンクール審査員特別賞。国内外のセミナー、演奏会に参加。ヤマハ、イトーキなど広告のモデルも行っている。

−−ふーむ。楽器と会話するわけですね。しかし、そもそもなぜチェンバロという楽器を弾こうと思ったのですか?

高校まではピアノを勉強していました。チェンバロに移ったのは大学(桐朋学園大学演奏学科古楽器科)に入ってからです。実は私、手が小さいのでピアノだとオクターブ(たとばドからドまで。鍵盤8つ分)以上は届かなくて、ずっと悩んでいたんです。


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