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2月11日(火)ENAK original 有橋淑和*ロングインタビュー(4)
 
今は楽器がいちばん

−−いやあ、でも個人的には「楽しい」というより「びっくり」の内容です。チェンバロというとバロックの優雅な音楽を想像しがちで、そういう音楽を予想していたんですが、現代音楽というかフリージャズにも通じるような大胆な演奏表現も顔を出すじゃないですか!

だから、タイトルは「チェンバロ・レボリューション(チェンバロ革命)」なんです!

−−こうしてチェンバリストとして初CDを出して、どのような気分ですか?

私自身、「チェンバリスト」と書かれるのをいまだに不思議な気持ちで受け止めています。もちろん、学生時代、「いつかは演奏会を開きたい」「いつかはCDを出したい」と思い続けていたんですが。CDについては、まだ実感がわかなくて。CD店で試聴機に入っていて、それを聴いてくださっている場面に遭遇したこともあるんですけど、大勢の人が聴いてくれている姿って想像できないんです。CD店にいくと私、自分でよく試聴しています!

−−とはいえ、ピアノに比べるとなじみの薄い楽器です。

チェンバロがピアノ並の市民権を得たら演奏する人もたくさん出てくると思うんですね。そのためにも私を通じてもっとチェンバロを知ってもらって、いま存在するある種の「垣根」を取り払えたらと考えています。私のホームページの掲示板にヘビメタファンの男性の書き込みがあって、そういう方にも届くんだなと思うとすごくすてきなことだと思いますね。

  −−この先の抱負は?

歴史のある楽器ですし、まだチェンバロのための曲ってたくさんあると思うんです。あるいはチェンバロを必要としている曲が。そういものをたくさんみつけていけたらいいなと思います。まだまだ奥が深いと思うんです。私、チェンバロにとりつかれちゃっているのかもしれませんね。

−−うーん。こういういいかたがいいかどうか分かりませんが、女性の楽器演奏家の中には、そういう人が多いように思うんです。楽器に魅入られてしまっているというか。そうすると1日中練習しているんですか?

「練習」という言葉は機械的です。私、楽器とは常に「お話し」をしているんです。コミニュケーションをとるという感覚ですね。それに一方的に弾いてもちゃんと鳴ってくれません。

−−20代半ばの女性として楽器以外にやりたいこともあるのでは?

楽器が一番。もう、楽器をひとりぼっちにしていると気になって。

−−ははあ、そうすると長期の旅行なんていけませんね?

木でできていますから日本の湿度には弱いんです。今は、チェンバロを弾いているのが一番楽しい。だから、それでいいのだと思っています。


-fin-
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