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2月11日(火)ENAK original 有橋淑和*ロングインタビュー(3)
 
世界一周、時間旅行を

有橋淑和−−へえ、そうなんですか

これは注目すべきこと。ピアノの時代になっているのに彼らがなぜチェンバロにこだわったのか? 好奇心。そして、「なぜなのか」という疑問。実際に弾くうちに気づいたんです。これらの作曲家はチェンバロでしかできない表現に注目したのだろうって。さらに調べたら、チェンバロ曲ってけっこうたくさんあって、ロシアにも米国にも日本にもあった。

−−今回収録している「東北民謡」という曲ですね。これは「海ゆかば」を作った信時潔の作品なんですね。

「東北民謡」は戦後の日本で初めて書かれたチェンバロ曲なんですが、「なぜチェンバロ曲を書いたのだろう」と考えながら弾きました。そうして各国のいろんな時代に書かれた曲を1枚のCDに並べたらどうなるのか。これが、このCDを作った狙いでした。

−−共通点が見いだせた?

いえ、逆で、それぞれの個性がきわだつことになりました。だから、私もそれぞれの作品が何をいいたいのかに耳を傾け、それを表現したいと考えました。

−−映画「ゴジラ」の音楽でも知られる現代音楽の作曲家、伊福部昭も曲を書き下ろしていますね。

「小ロマンス」という曲です。伊福部先生は曲を作る際、私のような若輩者の意見も聞いてくれました。大きな勉強、経験になりましたね。

−−このCDに収録された曲の中でおそらくいちばん有名なのはディズニーの「バロック・ホーダウン」(エレクトリカル・パレードのテーマ)でしょうね。

曲自体、あるいは演奏されている音色はみなさん知っているけれど、実はこれがチェンバロの曲、この音がチェンバロの音だとは案外知られていない。そういう意味では不思議な曲です。こうしてさまざまな曲を収録したことで、どこからアプローチしていただいてもいい内容になっていると思います。チェンバロのさまざまな表現を楽しんでいただきたい。また、いろいろな国の作品を演奏していますから、これで“世界一周”を。それから古い楽器ですから“タイムスリップする”こともできる。楽しいCDになったのではないかと思っています。


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