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9月4日(木)ENAK original 柴草玲*ロングインタビュー(1)

は、どのようなきっかけで歌をくちずさむのだろう。柴草玲。3作目のミニアルバム「うつせみソナタ」(ロックチッパー・レコード)を出したばかりのシンガーソングライター。清廉な歌声でつむがれる、悲しみをまとった歌たちは、聴く人の感情を強く揺さぶる。ときに強すぎることもある。柴草が歌をかき始めたのは、自身の恋愛に起因する感情に突き動かされたからだった。おそらくままならぬ恋の、ままならぬ思い。やるせなさの代償。だが、歌をつくり続けることで、ふと気づいた。たとえ気持ちが空っぽでも、歌をつくりたい。うつせみ。セミの抜け殻のことであり、生身の人間のことでもある。「うつせみソナタ」は、恋の抜け殻からひとり歌の作り手となった柴草の、より多くの人に届けるべき歌が集められている。

interview,photos & text by Takeshi Ishii
取材・撮影・構成 石井健
私のノンフィクションとしての歌
「うつせみソナタ」

−−新作「うつせみソナタ」について教えてください

具体的な概念に基づいて作ったのではなく、そのときどきにできた“個人的な歌”を集めた作品です。そのときそのときの自分の状況をうたった8曲を1枚のアルバムに収録したとでもいいますか。

−−ぼくは初めて「うつせみソナタ」を聴いた際、8月26日付の産経新聞朝刊(東京本社版)の「試聴」に、これは「私小説だ」と書いたのですが…

基本的には…やはり、“ノンフィクション”です。自分が体験したり、見たりしたことをそのまま歌にする。歌詞にした時点である程度脚色されているとは思いますが、自分の身におきた出来事、そのときの感情などを切り取って歌詞にすることが圧倒的に多いです。

−−歌う際に自分の感情が入りすぎてしまうことはありませんか?

確かにありますが、そういう録音をCDに収録することはありません。それに、その歌を作ったときの感情が持続するわけでもないので、同じ歌をうたっても、そのときどきで感情は変化はします。

 

SHY柴草玲(しばくさ・れい) 5歳から19歳までピアノを習い、音楽大学に進学。19歳のときにジャズピアノ奏者、山下洋輔の演奏に接し、クラシック意外の音楽にも関心をもつ。女性ばかりのサルサ(南米音楽の一種)バンド、チカブーンに鍵盤楽器奏者として3年ほど在籍した後、11年から作詞作曲家兼歌手として個人の活動を始める。平成13年にミニアルバム「遺伝子」を自主制作。同年6月には同「あじさい」を、これは店頭流通にのる作品として発売。同様に14年に同「レクイエム」。流通にのる作品としては3作目がこんどの「うつせみソナタ」でになる。松田聖子「エメラルドの海岸」(作詞は松本隆)、日本版ソウル歌手、Coccoの「星に願いを」「樹海の糸」など、 ほかの歌手への楽曲提供も。

たとえば、ある歌における「あなた」が、作った段階では具体的な人を想定していたとしても、歌う段階では違う「あなた」になっていることもあります。それが音楽のすごいところだとも思っています。


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