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9月4日(木)ENAK original 柴草玲*ロングインタビュー(2)
歌 体で表現しきれない声

柴草玲−−「うつせみソナタ」の中で、個人的にもっとも感銘を受けた歌は、「前山にて」でした。あるFM局でもこの歌を重点的に放送しているそうですが。

前山は親の郷里である長野県に実際にある山です。うちのお墓もその山に。こどものころ、夏休みなどによく遊びにいき、私の中に“しみついている”風景。その前山を大人になってから訪ねると、懐かしいのだけど、おとなになった自分は、しがらみだとか、つまらない悩みだとかを抱えているわけです。前山の風景を前にすると、そういったものが、とてもいたたまれなくなって、この山を歌にしてみようと思ったわけです。実は、発表に際して、山の名前を確認したら、あやふやなんです。たしかに地元のひとたちは「前山」と呼んではいるものの、正式な名前ではなく通称かもしれない。

−−あと、60年もすれば自分など消え去ってしまっているだろう−−という内容の歌詞の一節が非常に印象的です

私はいま30代半ばですが、あとどのぐらいたったら悩みが消えるのか。あとどのぐらい自分は生きるのか、と考えたとき、なにごともなく長生きしたらあと50年は生きているだろう。でも、60年はどうか。60年たったら自分は灰になっているのではないか。そんなことを考えたんです。

 

−−ところで、音楽はいつから?

5歳から19歳までピアノを習い、そのまま音大に進学しました。19歳までは“自我のないまま”ピアノを弾いていましたが、19歳のときにジャズピアノと出合ってからクラシック以外の音楽を聴くようになりました。こういう世界もあったのかって。

−−具体的にはだれのピアノを?

山下洋輔さん。破壊的なものを聴いていました。7年ごろサルサバンド、チカブーンにキーボード奏者として参加し、3年ほど在籍していました。チカブーン在籍時から少しずつ歌を作り始めて、11年ごろから自分で歌うようになりました。

−−印象的な歌声の持ち主ですが、歌うことはいつごろから?

柴草玲チカブーン在籍の後半ぐらいからコーラスに参加はするようになっていたのですが、ひとりで歌うことはなかったんです。そもそも自分の声にとても劣等感をもっていましたし、歌もへただと思っていたんです。子供のころ、周りの大人から「もっと高くてかわいらしい声だったらよかったのに」と何度か言われたのが原因です。


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