−−構成からなにからおひとりでやるのは初めて?
5月の「私の音楽」も、そうでしたけど、あれはサロンコンサート形式の舞台。今回はもっと規模が大きいですからね。楽しみ半分、恐怖半分。でも、自分が全部分かっていると、それだけ理解は深まりますし、納得できることを求めるでしょう。それがよかろうが悪かろうが、できうるかぎりのことはすると思うので、悔いの残らない舞台になればいいかなと思っています。
−−たとえば宝塚時代は、“与えられた役”を演じることが中心だったと思うのですが、ご自分ではどちらのやり方が合っていると思いますか?
両方とも、やりがいはあります。宝塚時代の舞台では私は役や作品を与えられる環境にいて、いただいたもものをどれだけ消化して自分の表現にするか、が、課題だったと思うんですね。今回は全部を理解し、納得し、表現においてプラスはあると思う。その分、責任もある。
−−「祈り」という題名に込めた思いについて、改めて
私の中では、大聖堂を会場にフルオーケストラを従え、合唱隊もいる。そういう公演をずっと夢見ているんです。教会っていうのは、神聖な場所、心が浄化される場所ですが、この舞台が教会のように心いやされる場所になればと思っているんです。言葉にしてしまえば単純になりますが、世界の平和を祈るという気持ちもあります。ひとりひとりの平和を祈るという意味もあります。
 |
 |
−−ご結婚されて現在暮らしているインドネシア・バリ島で昨年、爆弾テロがあり、その復興のための慈善公演を現地でされましたね
あのテロでは、お金で買えない部分、精神的なダメージが非常に大きかった。あそこは観光の島ですから、警備面をしっかりとさせて観光客が再び戻ってくることをまず考えないといけない。だから、警察に無線機を寄付しました。
−−「祈り」という題名で公演はこれからも続くわけですね?
シンガーソングライター、中島みゆきさんの公演は「夜会」と統一の題名がつかわれていますが、私もあのようにある共通した世界観を伝え続けたいと思っています。そのひとつは私の好きな音楽。それを好きだとおっしゃる方がいらっしゃれば、続けられるのではないかと考えます。
−−そして、いつかは大聖堂でフルオーケストラを従えて歌いたい。具体的な予定は?
全然! 私と共演したい交響楽団の方はぜひご連絡を…。でも、いつかはかなうと思っています。12月は、その何分の一かのバージョンかもしれませんが、伝えたいことの根本は同じですよ。(終わり)
 |