阪急電鉄や宝塚歌劇団の創設者、小林一三(雅号・逸翁)の50回目の命日になる25日、宝塚市の宝塚大劇場で「小林一三没後50年追悼スペシャル」が、タカラジェンヌの現役スターやOGたち431人が参加して行われた。

一三翁の追悼の催しが初めて開かれたのは、25回忌の昭和56年で、2回目は33回忌の平成元年。同10年に東京で念願だった宝塚歌劇の通年公演が実現したことで、宝塚歌劇創立85周年の11年に3回目が開かれ、以後は毎年、「逸翁デー〜タカラヅカ・ホームカミング〜」として継続して、宝塚と東京の劇場で行われてきた。
今年は11回目になるが、3部構成の公演形式で行われるのは初めてで、「逸翁デー」としてのスペシャルイベントは”弔い明け”の今回で最後となる。
第1部は冒頭で、一三翁が昭和13年に愛読者大会で演説する映像がながれたあと、テーマソング「清く 正しく 美しく」をアレンジした曲にのって、若衆姿の現役スターたちが歌い踊り、最長老のシンボルスター、春日野八千代もキリッとした舞い姿を披露した。
次いで、昭和12年に宝塚大劇場で上演したという、一三翁作の歌舞伎レビュー「恋に破れたるサムライ」の一部を、轟悠、安蘭けい、音月桂らが再現してみせた。
第2部はゲストコーナーで、OGの鳳蘭が「セ・マニフィーク」、安奈淳が「夢人」、真琴つばさが「情熱の翼」、安寿ミラが「かわらぬ想い」、杜けあきが「朝日の昇る前に」、日向薫が「大いなる落日」、大浦みずきが「So In Love」と、それぞれの代表作の主題歌を歌って、トークも。
そのあと、生前の一三翁を知っている世代のOGとして、扇千景と深緑夏代が思い出を語り、深緑はシャンソン「逝きし人達」を歌った。
第3部はこの50年の歴史を歌で綴る構成。轟が歌う「タカラジェンヌに栄光あれ」で始まり、水夏希が「落ち葉散る丘の小径」、瀬奈じゅんが「霧深きエルベのほとり」、安蘭けいが「望郷の琵琶歌」、春野寿美礼が「愛の歌」と、各組のトップがヒット作品の主題歌を次々に歌う。
ラストは宝塚音楽学校の生徒も含めた414人が舞台に勢揃いして、「逸翁讃歌」を歌い華麗にイベントを締めくくった。