The name of タカラジェンヌII
沙央くらま 由来のシェークスピア劇も目標に
6月11日(月)
大阪夕刊 by 平松澄子
シェークスピアを「沙翁」ともいう。両親がシェークスピア・シアターに在籍していたこともあって、親交のある英文学者の小田島雄志さんが「翁」を「央」に変えて命名してくれた。

「くらま」は「家族でイタリアに旅行中、古い劇場跡で突然ひらめいて決めた」そうだ。
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愛らしく、さわやかな男役のホープ。宝塚大劇場で18日まで上演中の「エリザベート」新人公演(5月22日)で、主役のトートを力強い歌唱でしっかりと演じた。新公主演は昨年の「ベルサイユばら」のオスカルに次いで2度目。大ヒット作の大役ばかりである。
「運がいいですね。オスカルのときは自分を冷静にみられなかったけれど、突っ走ることがいい方向にいく役だった。トートは歌での表現も、セリ上がりや盆回しでの登場も初めてで、舞台での存在の仕方が難しかった。また、研7(入団7年目)で新公の最上級生になって、みんなをひっぱっていく立場の大変さも痛感しました」
初めて見た宝塚の舞台「ハウ・トゥー・サクシード」(平成8年)にはまって、中学卒業時に宝塚音楽学校を受験し、1回で合格。宙組の「ベルサイユのばら2001」で初舞台を踏み、雪組に配属される。最初の公演「愛燃える」の新公で伍友役に抜擢(ばってき)され、15年の宝塚バウホール「恋天狗」では小天狗役を瑞々しく演じた。17年のバウ「さすらいの果てに」では2番手のエドウィン中尉役と、順調にステップアップしている。
「みんなに助けられて、ひたすらにがむしゃらにやってきました。小天狗のときは自分だけのお衣装をいただいてうれしかった。エドウィンは自分で役を作っていく難しさ、演技のきびしさを教えられました」

目指しているのは「いろんなことができる個性的な男役」だそうで、「宝塚って環境が大好きなんです。何でも冒険できて、挑戦させてもらえる。もうちょっと大人になったら、『ロミオとジュリエット』などシェークスピアの作品もやってみたいですね」
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次週は、野々すみ花(花組)です
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