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江戸弁と大阪弁のバイリンガルで
司馬遼太郎の「大坂侍」霧矢大夢主演で初の舞台化
   大阪夕刊 by 平松澄子
幕末の大阪を背景にユニークな大阪人たちのパワーが炸裂(さくれつ)する、司馬遼太郎原作の時代劇「大坂侍」を、宝塚歌劇が初めて舞台化。石田昌也脚本・演出、月組の霧矢大夢主演で、なにわ人情ミュージカル「大坂侍〜けったいな人々〜」として、5月中旬から6月にかけて、宝塚と東京で上演される。

「すごく楽しみな作品」という主演のきりやん(右)と演出の石田昌也
「すごく楽しみな作品」という主演の霧矢大夢(右)と演出の石田昌也


ベテラン座付き作家の石田は昨年、坂本竜馬を主人公にした「維新回天・竜馬伝」を宙組で上演して話題を呼んだ。「もともと幕末の時代が好きで、司馬さんの作品もたくさん読んでいます。ただ、『竜馬伝』はいろんな資料を参考に、オリジナルとして作りました。今回の『大坂侍』は登場人物がみんな強烈なキャラクターでおもしろい。武士が出てくるけれど世話物風で、愛すべき人物ばかり。それがほとんど実在の人たちなんです。司馬さんの作品は歴史の表舞台に出ない人たちに光を当てて、その中にもドラマがあるんですよね」と説明する。

物語の主人公は、真面目で働き者だが女性には奥手の貧乏同心、鳥居又七。武士だけれど大阪生まれの大阪育ちで、徳川幕府に対する忠誠心は薄い。豪商の大和屋源右衛門の娘、お勢はそんな又七にぞっこんだ。跡取り息子のいない源右衛門は、又七を婿養子にして店を継がせたいと、お勢と協力してあの手この手の“プロポーズ大作戦”を繰り広げて…。

又七を演じる霧矢は大阪出身。「タイトルを聞いたときは、あまりにも私にぴったりすぎる!と思いました。原作を読むと又七は江戸弁を使っているけれど、石田先生の台本ではコテコテの大阪弁になっている。ただ、父親の前だけでは武士の言葉になるので、“バイリンガル”でやります。私は江戸の時代物も、二本差しの武士の役も、青天のかつら姿も初めて。立ち回りシーンも数カ所あるのですごく新鮮ですね」という。

石田によると、原作と大きく異なるのは、又七の使う言葉とお勢と恋のさや当てをする芸者役を新たに加えたこと。「幕末ともなれば幕藩体制も身分制度も崩壊寸前。京都では新撰組がチャンバラをやっていても、すぐ近くの大阪は全くの町人文化なんですよね。その中で武士の又七が、本音をぶつけ合う周りの“けったいな人たち”にもみくちゃにされながら、何を得てどう変わっていくのか。独特の“司馬史観”はきっちりふまえて、お金や恋の身近な話として描きたい」そうだ。

出演はほかに、ヒロインのお勢役に夢咲ねね、源右衛門役に箙かおる(専科)、未沙のえる(専科)、花瀬みずか、青樹泉、星条海斗、龍真咲ら。公演は宝塚バウホール=19日〜6月4日▽東京・日本青年館が6月9〜15日。

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