The name of タカラジェンヌII 専科、一原けい
原っぱのまん中で天の恵みを受けて
2007/10/15
by 平松澄子 産経新聞大阪夕刊
ひとつの大きな原っぱに旅立って、どんなことがあろうとも天からの恵みを受けて力強くやっていけるように−−と、知人がつけてくれた芸名。

「最初は“恵”だったんですが、女役なのでひらかなに。長く使っていると愛着がわきますね」という。
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大ベテランの娘役。宝塚大劇場で19日に行われる「第48回宝塚舞踊会」に出演する。今年は親会社の阪急創立百周年記念として催され、曽我兄弟の物語をさまざまな舞いで表現。一原は第8場の常磐津「夜討曽我」で、化粧坂少将を舞う。
「親の仇討ちに行く恋人の五郎と別れる、悲しみの舞いです。私が舞踊会に初めて出たのは、専科になったあとの平成13年。それから毎年参加していますが、もっと早くからお稽古(けいこ)していればよかった。宝塚は花柳、藤間、山村と日舞の3流派がお勉強できるぜいたくな環境なんですから。改めて、振りが付いている意味を理解することを心がけて舞いたいと思います」
昨年に続いて出演する現役最長老の春日野八千代は、「振袖菊」を舞う。
宝塚に入りたかったという母親の影響が大きく、バレエを習っていたこともあって、高校卒業時点のワンチャンスで入団した。初舞台は「春の宝塚踊り」「ラムール・ア・パリ」。雪組に配属され、ダンスの得意な娘役として活躍する。
「すぐに“ベルばら”ブームになって、下級生のころはバラの精や群衆、上級生になって伯爵夫人、専科の13年にはマロングラッセと、何度も出ました。やはり思い入れが深いですね」
2年ダンス専科→5年花組副組長を経て12年から専科。今年は7月に大阪・梅田芸術劇場公演「源氏物語 あさきゆめみし」に出演し、桐壼の更衣などを演じた。
「最初のシーンが初めて1人のせり上がりで緊張しました」
宝塚の魅力については「日本物も洋物も一緒に、国も次元も関係なく、いろんな役柄をできる。舞台に出ているときが一番、このお仕事をやっていてよかったと思えますね」と答えた。
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