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宙組公演「黎明の風」「Passion 愛の旅」公演評
「平和こそ…真実の愛」信念貫く人々をリンと
2008/2/28  産経新聞大阪夕刊 by 平松澄子
専科トップの轟悠が特別出演している宙組公演の2本立て。娘役トップの陽月華が骨折休演というアクシデントもあったが、出演者が一丸となって硬派な佳作に奮闘している。

宝塚歌劇団提供

戦後日本の復興・独立に、舞台裏から尽力した快男児、白洲次郎(轟)を主人公にした「黎明の風−侍ジェントルマン 白洲次郎の挑戦−」(石田昌也作・演出)。吉田茂首相(汝鳥伶=専科)と親交があったことから、終戦連絡中央事務局の局長に就任し、日本を占領統治した連合国軍最高司令官マッカーサー(大和悠河)と、真正面から渡り合う。

次郎と妻の正子(和音美桜=代役)の夫婦愛、辰美英次(蘭寿とむ)やロビン(寿つかさ)らとの友情などほのぼのとした場面もあるが、大半は戦争責任、昭和天皇の処遇、憲法改正など、重く堅い議論のセリフが飛び交う。夢夢しい宝塚とはおよそ似つかわしくないのに、白洲やマッカーサーをはじめ登場人物たちはみんな、リンとしてカッコいい。互いに自分の国を想い、信念を貫くすがすがしさだろうか。

東京ローズ、特攻隊、食糧難、原爆、東京裁判、朝鮮戦争…戦後63年が過ぎてもいまなお引きずる微妙な政治問題まで、よくも多くの史実を入れ込んでまとめあげたものだと感心。時代を浮き彫りにする「銀座カンカン娘」「東京ブギウギ」など歌謡曲の使い方も効果的で、命を落とす若者たちへのレクイエムとして轟が歌う「群青」は涙を誘う。

じつはこの舞台には出てこないが、白洲氏と同歌劇団創立者の小林一三翁は面識があり、一緒に米軍に接収された東西の劇場の返還交渉もしたそうだ。宝塚で扱う題材としては賛否もあるだろうが、「平和こそ…真実の愛」というメッセージは確実に伝わる“男前”な昭和秘史になった。

「Passion 愛の旅」(酒井澄夫作・演出)は、夢や愛を求めて世界を回る正統派のレビュー。フィナーレで轟と大和の“2トップ”が踊るデュエット・ダンスは見逃せない。

東京宝塚劇場公演は4月4日〜5月18日。



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