第4場 思惑を背負った婚礼 五郎八(いろは)姫(ふづき美世)もまた、 時代にほんろうされているひとり。 奥州のトラとも呼ばれる伊達政宗(立ともみ 左)の娘。 実は忠輝とすでに6年も前に祝言をあげていた。 にも、かかわらず忠輝は五郎八姫を近づけようとはしなかった。なぜなのか。忠輝には、五郎八姫を政争に巻き込みたくないという深謀遠慮がある。だが、その胸のうちを知らぬ五郎八姫の心は千々に乱れる。