専科・轟悠を迎えて「野風の笛」「レヴュー誕生」
花組東京公演始まる
宝塚歌劇団花組東京公演「慶長グランド・ロマン『野風の笛』」(脚本・演出 谷正純)「グラン・ファンタジー『レヴュー誕生』−夢を創る仲間たち−」(作・演出 草野旦)が8日午後から東京宝塚劇場(東京・日比谷)で始まった。

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「レヴュー誕生」のフィナーレ。轟悠(左)と春野寿美礼


トップスター、春野寿美礼がふづき美世を娘役トップに迎えての新トップコンビお披露目となる公演で、専科から轟悠が特別出演し、「野風の笛」では主役を演じているのも話題。

「野風の笛」は、隆慶一郎の小説「捨て童子・松平忠輝」が原作の日本物。徳川家康(汝鳥伶)の六男ながら「悪相である」として避けられ、赤ん坊のころから花井三九郎(未沙のえる)に育てられた松平忠輝(轟悠)が、成長して家康に見込まれ、それゆえに二代将軍・秀忠(夏美よう)にうとまれて花井の息子で兄弟同様に育った主水正義雄(春野寿美礼)ともども悲劇に巻き込まれていく。

「レヴュー誕生」は、宝塚の原点ともいえるパリのレヴュー誕生のころを舞台にした華やかなショー。

公演に先立ち8日午前、東京宝塚劇場で舞台げいこが行われ、その後、轟、春野が相次いで記者会見した。

平成13年に専科に移籍した轟だが、各組に横断的に出演する専科生本来の仕事はこれが初めてになる。

「花組の下級生たちに日本物の難しさを教える一方、彼らから『こんなこともできるのか』と教わることも多い」と述べるなど、新鮮な経験に明るい表情。

「ちゃんと言葉を交わすのは、これが初めて」という春野については「とってもまじめで、けっこうナルシストで、宝塚が大好きなかわいいひとです」と印象を語り、相好を崩した。

一方、「夏の公演。たくさんの汗をかく覚悟で東京に来ました」と、キリリとした表情で語る春野は轟について「舞台に関して(轟の)すべてが学ぶに値するだけでなく、人間的な大きさとこまやかさをもっている」と心服したようす。

また、今回がトップコンビ披露となる相手役のふづきについては「花組から宙組をへて再び花組に戻ってきたわけですが、すごく成長していていまも、そしてこれからが楽しみ」と述べ、息の合ったコンビになることを期待させる。

公演は9月14日まで。

轟悠 会見
今回が(専科生)として、各組の公演に出演する最初になります。花組のみなさんと仲良くやっていますので、みなさんよろしくお願いします。

−−松平忠輝という人物について

せりふにも出てきますが自由に生きた人。ああいう時代には難しいことだったと思います。

−−花組について

花組の下級生たちは立ち回りが初めてなんです。日本物の難しさを教えてる一方、彼らをみていて『こんなふうにもできるのか』と考えさせられたり、新鮮です。歌劇団の創立88周年記念「風と共に去りぬ」(昨年4月)の際も花組の一部の生徒たちとは共演しましたし、それ以前からも楽屋でワイワイとしたりしているので、自然と組になじめました。
ショーもそうなんですが、相手がどのような芝居に出てくるのか予想もつかないのが楽しいですね。

−−花組主演男役、春野寿美礼について

いまはちょうど、激しく変化している時期なので周りで温かく見守ってあげるべきでしょう。自由でのびのびとしたトップになってほしい。実は今回がしゃべるのも初めてでしたので、どういう人なのかさぐりあったたりしました。とってもまじめで、けっこうナルシストで、宝塚が大好きなかわいい人ですね。

春野寿美礼 会見
夏の公演ということでたくさんの汗を流す覚悟で東京に来ました。今回は専科から轟さんが出演なさってくれまして、楽屋でも楽しくやっています。(宝塚大劇場の)舞台も楽しくエネルギッシュにやりました。轟さん、さらに立ともみさんら3人の専科からの出演もあり、花組は刺激をたくさん受け、大きく成長するのではないかと思っています。千秋楽までがんばります。

−−これがコンビお披露目となる主演娘役、ふづき美世について

彼女は以前、花組にいまして、そのときも一緒に組んでいましたし、宙組から戻ってきてすごく成長していたので、これからが楽しみです。毎日新しい発見があり、お互いのよいところを伸ばそうという感じです。

−−轟悠については

舞台に関してはすべてが学ぶべきものですね。また、人間的にも大きな方だということを感じています。以前は、大きな存在の方だと見上げていたのですが、そばにいるといろいろと気を遣ってくださって、それがまたとてもこまやかで。人間的な大きさ、こまやかさのふたつをもっていて、いろいろと勉強させていただいています。

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8月8日(金)
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