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雪組 音月桂
飛躍の年に

音月桂
中学のとき、宝塚月組「グランドホテル」を観(み)て「鳥肌がたった」という。これが宝塚初観劇だった。

「小さいころから踊るのが大好きで、目立ちたがり屋だったみたい。向こう側に立ったら気持ちいいだろうなと思ったんです」

それから10年。昨年秋にはバウホール公演にも初主演した。入団6年目。飛躍が期待される学年だ。

「主演を経験して、周りが見えるようになったかな。今までは全力投球、うまく見せようと自分のことで精いっぱいだった。責任の大きさを自覚できるようになりました」と振り返る。

すでに入団3年目で新人公演の主役に抜擢(ばってき)され、ショーでも重要な役回りにたびたび登場。早くから注目され、チャンスを与えられてきた。雪組新トップ、朝海(あさみ)ひかるのお披露目公演「春麗の淡き光に」でも、新人公演に主演する。

音月桂
音月桂
音月桂
「チャンスは生かさないと、チャンスとは言わないですよね。今後は、こんな一面もあると新しい音月を発掘していかなくては」と気を引き締める。

大きく口をあけて、思いきりよく笑う。天真爛漫(らんまん)。その陰で期待という重圧と戦ってきたという。

「こう見えても、1人になると考えこんでマイナス思考に落ちこんじゃうタイプなんです。でも、喜怒哀楽が激しいのは親譲りの大事な財産と思ってます」



一見、今風のかわいい女の子だが舞台では一変。芝居への強いこだわりが伝わる男役に変わる。その変貎(へんぼう)ぶりも魅力のひとつだ。

「宝塚を初めて観た人でも『何だろう、あの子』って気になるような、光るものを持っていたい。個性を生かせて余韻を残せるような存在感が課題です。個人的には、英会話に挑戦! これからどんどん視野を広げて、いろんなことをたくさん吸収したいのです」



sumire memo
1月1日(水)東京朝刊
interview by 田窪桜子
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