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宝塚歌劇雪組公演「春麗の淡き光に」「Joyful!」
朝海ひかる レビューでキュートな魅力

パッと咲いた満開の桜の下、若衆や娘たちの総踊り−宝塚大劇場の今年一番の雪組公演は、お正月らしい華やかな演出で幕を開けた。日本物のお芝居「春麗の淡き光に−朱天童子異聞−」(植田紳爾作・演出)と、ダンシング・レビュー「Joyful!」(藤井大介作・演出)の2本立てだ。

新トップ・朝海ひかるのキュートな魅力がよく出ているのは、レビューのほうだろう。

楽器に焦点を当てた演出で、ゴスペルから始まり、クラシック、ジャズ、スパニッシュ、ラテンとさまざまな音楽で構成。

ダンスの得意な朝海と相手の娘役・舞風りらのトップ・コンビは、難しい振付も軽やかにこなし、デュエットでのリフトは意外にも力強い。

ANJU(元花組トップ・安寿ミラ)振付のブルースのシーンは、男役の定番のスーツにソフト帽姿がカッコいいし、星空から降りてくるトランペットなど、上部の空間の使い方も新鮮。

全員で歌い、踊るタカラヅカならではの群舞もふんだんにあり、「喜びに満ちた」というタイトルの意味通り、元気あふれる楽しいショーになった。

 

「春麗の淡き光に」は、平安朝末期の京都を舞台に、実在の人物の藤原保輔がじつは朱天童子という義賊だったという発想で描く、愛と友情の歴史ロマン。

昭和48年に「花かげろう」のタイトルで2度上演された作品をベースに、新作として作り直された。

朝海は、悲劇性に満ちた憂いの貴公子といった風情がよく似合う。

ただ、保輔、そっくりの弟の保昌、そして朱天童子という“3役”を演じ分ける難役で、いきなりは荷が重い。話も散漫になり、動きも少なく、辛抱役で勉強のステージか。

むしろ親友で朱天童子を討つ源頼光役の貴城けいのほうが、スキッとした2枚目の役どころで目をひいた。

専科の汝鳥伶のうまさはさすが。

2月4日まで。



sumire memo
1月21日(火)大阪夕刊
by 平松澄子
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