宙組バウホール公演「里見八犬伝」に主演する水夏希。滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」に新解釈を加えた鎌田敏夫の同名映画のシナリオが原作。宝塚歌劇団の鈴木圭がミュージカル化した。
「映画は活発で精悍(せいかん)なイメージでしたが、人間関係も複雑ですし、もう少しミステリアスな感じになると思う。日本物は経験が少ないですが、衣装も“ブーツ系”で宝塚的になりますね」
里見家の生き残りである静姫を守る犬士たちの物語。映画では真田広之が演じた犬江親兵衛を演じる。殺陣も見どころだ。
「殺陣は決めるところは決めつつ、遊び心も入れた華やかなものになれば。殺陣は基本ができていないと質の高いものにならないので、殺陣の先生についてしっかりやります」
けいこの前には役作りの参考にと、静姫役の草凪萌(くさなぎ・もえ)と一緒に物語の舞台となる千葉県の富山町と館山市を訪れた。雨の中、伏姫籠穴や犬掛の里の里見氏の墓、館山城など、所縁(ゆかり)の地に立った水は「改めて人の思いのつながりを感じました。千葉県出身でもありますし、縁も感じます。仲間を犠牲にしても姫を助けた犬士の潔さ、男気を伝えたい。命を共有する八犬士たちとのチームワークも大事ですね」と話す。
入団11年目。今回がバウホール公演3作目の主演だ。
「以前は周りがのびのびやらせてくれたと思う。学年も上がった今は、自分を確立し1本筋を通すことで、周りが自由にできるようにしなくては。若い出演者が多いので、その勢いに乗って私も冒険します」と張り切っている。
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