幕開けは華やかな踊り。舞台には満開の桜。はらはらと舞い散る花びらの中で舞うのは、藤原保輔(朝海ひかる)だ。藤原北家を筆頭とした貴族政治に大きな疑問を抱く保輔。華麗に枚ながら、その心のうちには秘めたる決意がある。桜。桜。桜。ただ、春の上演作品だからという理由だけではあるまい。日本人にとって桜は大きな意味をもつ。華やかに咲き、そしてはらはらと散る。散る桜は保輔の何を暗示するのか。