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専科 一樹千尋(宝塚歌劇団提供) |
−−星組「王家に捧ぐ歌」(関連記事:STAGE GRAPH)でエチオピア王アモナスロを演じていますね
脚本・演出の木村信司先生が明確な主張をもって書かれた作品。台本を読み、物語の流れに沿うよう役づくりをしました。
−−アモナスロの人物像は
愚かな戦いを起こしますが、それは強国、エジプトの圧力があったから。決して単なる独裁者ではなかったと思いながら演じています。今回は、歌げいこから取り組めたのも良かったですね。歌唱指導の楊淑美(よう・しゅくび)先生の魔法のレッスンで皆が役をつかみ、どんどん歌えるようになっていったんです。
−−苦労は
実は東京公演でのどの調子を壊してしまったのですが、逆にそれも功を奏しました。私はパワーでガンガン突っ走ってしまうタイプなのですが、いろいろ工夫することで、役にも新たなふくらみが出たと思うので。
−−専科の役割は
トップスターが縦軸だとすれば、専科は物語の横の流れや奥行きを出すのが大事な役割だと思います。今回も、舞台という額縁の中にお客さまをお連れするように、役を通してこちら側に入っていただけるようにと演じています。この作品では、すぐ近くでお客さまが見てくださる感覚があるんです。大好きな歌も歌わせていただき、1日の中で、アモナスロを演じている最中が一番の幸せですね。
−−星組については
トップスターの湖月(こづき)わたる(関連記事:湖月わたるインタビュー)の一生懸命さと熱意に、私も星組も引っ張られ、ここまで連れてきてもらったと感じます。うちの娘=アモナスロの娘であるアイーダ役の安蘭(あらん)けい=も、息子=同息子であるウバルド役の汐美真帆(しおみ・まほ)(関連記事:汐美真帆インタビュー)=も本当に熱心。この作品のけいこに入って舞台人としての欲をなくしかけていたと気付きました。これから先の宝塚の生活へ、いい刺激をもらっています。
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