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悪役を演じてみたかったという水夏希。正統派の男役として成長を続ける |
4月1日宝塚大劇場では、90周年記念式典が行われた(関連記事:宝塚歌劇90周年記念式典)。総勢410名による大階段での合唱など、多彩なイベントで記念の年を祝った。
翌2日から始まった雪組公演『スサノオ』と『タカラヅカ・グローリー!』には宙組の水夏希がゲストとして特別出演している。
入団3年目で新人公演の主役に抜擢されて以来11年、バウホール公演主演やベルリン公演など大きな役をこなし成長を続けてきた。
多くの役を経験してきた彼女は、最近、悪役にはまっているという。
「役者なら誰でも一度は悪役を演じたいと思うはず。大劇場の空間を悪で揺るがすような芝居がしたい」
意気込む。
今回の『スサノオ』では、大和の神「スサノオ」を苦しめる大蛇の化身「アオセトナ」を演じる。神に敵対する、どろどろとした退廃的な役を、しっかり表現したいという。
少しは不安もあった雪組への遠征も、組全体が「ウェルカム!」と迎えてくれた。雪組は「大家族」のような和気あいあいとした温かい雰囲気が特徴。
対する宙組はさながら「必殺仕事人」のようだと笑う。けいこ場の張り詰めた緊張感の中、全員が1つの目標に向かって突き進む。
そんな組のカラーの違いもやはり主演コンビの影響が大きい。主演の2人を中心に自然に組がまとまる様子はどこも同じだという。
自己の能力を超えるか超えないか、ギリギリのラインで舞台の本当の面白さを感じる。台本を超えるような演技をしてこそ実力がつき個性が育つ。そんな経験が増えるほどに舞台から離れられなくなる、と芝居の魅力を表現する。
『タカラヅカ・グローリー!』は90期生の披露公演となるが、今でも初舞台のことは忘れられないという。厳しいけいこが連日深夜まで続き、うっかり居眠りしてしまったこともある。必死の思いでドリンク剤を1日に3本も飲んだこともあった。
90期生のラインダンスを観たら「感極まって泣いてしまうかもしれない」と笑顔を見せる。
後輩を見守るまなざしは、舞台で見せる冷たい悪役からは想像できない温かみを帯びていた。
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