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振付家 尚すみれ:すみれの園を創る人たち
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大劇場の空間をどう動かすか
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福岡・博多座で初演上演中の星組のショー「ロマンチカ宝塚’04−ドルチェ・ヴィータ!」(荻田浩一作・演出)で、プロローグの振付を担当している。1950−60年代の地中海のリゾート地を背景に描く明るく開放的な作品だ(23日まで)。
「次の展開にいざなうようなシーンという注文だったので、ちょっと芝居がかった振付にしています。私は芝居の振付が好きで多いし、ショーを担当するのは久しぶり。博多座は初めてなんですよ」
今年担当した作品は、宝塚大劇場の「天使の季節」や「1914/愛」、ツアー公演の「ジャワの踊り子」がある。「ジャワ−」は自身がタカラジェンヌ時代にタムロン役で出演(昭和57年)しており、「運命的なものを感じて感無量でした。今回改めて、タムロンがすごくいい役だと気付いたんです」という。
兵庫・宝塚市出身。中学卒業後、宝塚音楽学校に入り、昭和43年初舞台。キレのあるダンスに定評のある男役スターとして活躍し、60年に退団した。
「母親とその姉妹の3人がタカラジェンヌで、私は4人目。母は退団後、バレエを教えていたので、私はごく当たり前のように宝塚に入って、18年間在団しました。先のことは何も考えずに退団したんですが、すぐに内海先生(重典氏=演出家)に振付をやってみないか、と声をかけていただいたんです」
小さなショー場面やバウホール公演などで修業を積み、「戦争と平和」(63年)で大劇場公演を初振付。初舞台生のロケットやラインダンスの振付も多く、「エリザベート」(平成8年初演)の2幕を全編担当した振付では高い評価を得た。
「毎回死に物狂いで精いっぱい。どうやって作ったか自分でもわからないんです。大劇場の空間は美しくもあり、大きすぎて恐怖でもある。その不思議な空間のムード全体を、どう宝塚的に動かせられるかが振付の課題ですね」
一族から5人目のタカラジェンヌは、まだ出ていないが、「私はレッスンもしているので、育てた生徒みんなが5人目だと思っています」。
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