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衣装デザイナー 河底美由紀 すみれの園を創る人たち |
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すべて一から…難しさと楽しさ |
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衣装デザイナー 河底(かわそこ)美由紀 |
歌も踊りもない、東京・日生劇場の宝塚歴史ロマン「花供養」(9月1−23日)の衣装デザインを担当。天皇家の人々が登場する江戸初期の物語で、とくに雅な伝統美を大切に考えたという。
「20年ぶりの再演で、デザイン的には昔と変わりませんが、出演者に合わせて色目を変えました。色は一番印象に残る。ちょっとした現代感覚を違和感なく持ち込めればいいんですが…」
今夏のバウホール公演「花のいそぎ」では平安初期の衣装を手がけた。「着物は歌舞伎の着せつけを手伝ったことで興味を持ち、大学の卒業制作も歌舞伎の衣装制作と装置デザインでした。宝塚ではすべてを1から作るので、難しさと楽しさがありますね」
昭和42年北九州市生まれ、神戸育ち。大阪芸術大学舞台芸術学科在学中にオペラの衣装デザインを始め、平成2年卒業後は、関西二期会、藤原歌劇団、松山バレエ団などの衣装デザインに携わった。
宝塚では9年のバウ「エンドレス・ラブ」で衣装デザイナーとしてデビュー。以後は「冬物語」「更に狂はじ」、大阪シアター・ドラマシティの「聖なる星の奇蹟」、東京宝塚劇場のこけら落としの「いますみれ花咲く」、宝塚大劇場の「ESP」、中国公演の「蝶恋」…と、宝塚の仕事が中心になっている。
「宝塚とのつながりは、植田景子さん(演出家)と知り合ったことがきっかけです。オペラは人気演目の公演が多く、衣装もほとんど同じ。宝塚は新作ばかりでそのつど、新しいデザインができる。ただ、まずスターありきの衣装と物語の役柄とのギャップには、ずいぶん悩みましたね。今では、これまでの勉強を足し算にして、強みにしようと思っています」
14年には映画「壬生義士伝」の隊服のデザインにも挑戦して仕事の幅を広げている。
「宝塚は90年の歴史のなかで淘汰(とうた)され、美しいもの、いいものだけが残ってきたように思える。それに制作スタッフを抱える唯一のカンパニーで、モノを作る人たちを育てる土壌があるのがすばらしいですね」
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