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演出家 鈴木圭:すみれの園を創る人たち
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男役の美学をメーンに作品を
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新人公演の演出を、「天使の季節」「ファントム」「青い鳥を捜して」と、今年は3作も担当した。
「本公演と異なるのは、新公は生徒の通過点だということ。できるだけ出演する全生徒が出られる場面を作るように意識しています。『ファントム』では初めて1本立ての作品をアレンジしたんですが、演出家としても勉強できる経験がすごく大きい。今年はぼくと同期入団の生徒が研7(入団7年目)になって新公を卒業するので、ひときわ思い入れが強かったですね」
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昭和49年東京生まれ。玉川大学文学部芸術学科を卒業した平成10年に宝塚歌劇団の演出助手に採用され、翌年入団した。
「大学で本格的に演劇の勉強を始めて、舞台の仕組みやジャンルの広さに気付き、演出の道を目指してみようと思ったんです。宝塚の舞台を初めて見たのも大学時代で、月組の『風と共に去りぬ』。それまでぼくの考えていた演劇とは全然違って、ド肝を抜かれましたね。『エールの残照』を見たとき、オリジナルの作品を自分で書いて、自分で演出できることを知って、いっそう興味を持ったんです」
演出助手として経験を積みながら、往年の名作を若手演出家が手がける15年の宝塚バウ・ワークショップで、星組の「恋天狗」を初演出。プロローグを加える新趣向などで注目された。
同年8月のバウ公演「里見八犬伝」で演出家デビュー。江戸時代の小説を鎌田敏夫脚本で映画化した作品をベースに、ミュージカル化に挑戦した意欲作だったが、「映画にとらわれすぎて、ぼくの描いたイメージと作品にギャップがあった」と反省しきり。「もっと経験を積んだあとで、もう一度やってみたい」と心に期しているそうだ。
「今は芝居もショーも、どっちもやりたい。ぼくが宝塚が好きになった初心に戻って、男役の美学をメーンにした作品を作りたいんです。宝塚歌劇90周年の伝統を受け継ぎながら、ぼくの個性や感性を加えて、新しい風を吹かせるのが夢ですね」
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