宝塚歌劇団は創立90周年の一環として、キューバの高名な振付家、サンティアゴ・アルフォンソを招聘(しょうへい)。20日から宝塚大劇場で始まる星組公演のショー「タカラヅカ絢爛〜灼熱のカリビアン・ナイト」(草野旦作・演出)の振付で、本場ならではのラテン・ファンタジーを披露する。
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湖月わたる(右)、檀れい(左)のトップコンビを指導するアルフォンソ=宝塚歌劇団のけいこ場 |
アルフォンソは1939年ハバナ生まれ。ダンサーから振付家、芸術監督とそのキャリアのすべてをダンスに捧げ、現在はキューバの作家・芸術家協会の副会長をつとめるなど、ラテン・アメリカにおける演出家、振付家の第一人者として活躍している。
草野によると、「元気ではじけた宝塚を表現したい」と、カリブを舞台にした情熱的なショーを企画し、「アルフォンソと出会って、キューバを中心に絞り込んだ」という。満月の夜。ルンバのリズムにのって海の妖精たちがよみがえり、妖精ポノポ(湖月わたる)と人間のマリア(檀れい)が恋に落ちて…という展開で、アルフォンソは全24場面のうち、プロローグやポノポとマリアが出合うシーン、エピローグのパレードなど数場面の振付を担当した。
「タカラヅカはプロのショーとして、世界的にもかなり高いレベルにある。男役の美しさは男性ダンサーを失業させかねないよ。とくに、わたるのような歌って踊って芝居もできるマルチアーティストはめったにいない」と、アルフォンソはベタほめ。「草野さんの創造の世界を、キューバ本来のオリジナルなダンスで伝えたい。上半身と腰、手をよく使って、陽気さを表現するのがキューバのダンスだ」と、身ぶり手ぶりをまじえて熱心に説明した。
「きびしいけれど、踊りこむほど楽しくなってくる。カラッとして熱いラテンの血を、1つでも多く盗みたいですね」と湖月。「笑いを絶やさない先生の明るさが、ダンスに反映されていると思う」と檀。星組は前作の「王家に捧ぐ歌」でも、ロシアの世界的なプリマ・バレリーナ、マイヤ・プリセツカヤの振付で踊っている。湖月は「毎回、世界的に活躍しておられる方たちと仕事ができるのは光栄です。一緒にいられるけいこ場での時間を大切にしたい」と話していた。
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