彩輝直主演の新生月組(関連記事: 輝く男役 伝統誇りに)による「タカラヅカ絢爛II」(8月9日まで、宝塚大劇場)の作曲・編曲を担当している1人。年初からほとんどのショー作品を手がけ、このあとも星組バウホール公演「花のいそぎ」(22日−8月2日)、星組博多座公演「ロマンチカ宝塚’04」(8月1−23日)、花組の大劇場公演(8月13日初日)…と続く。
「今年はちょっと仕事が立て込んでますねぇ。いつも作曲するときは七転八倒ですよ」というが、表情も口調も穏やかだ。
「宝塚の音楽は変化のスパンが長いけれど、着実に変わっている。たとえば星組の『タカラヅカ絢爛』(関連記事:星組東京公演始まる)より、月組の『−II』の方がほんのわずかだが曲のテンポが早い。急激な変化があっていいところと、古いものを大事にするところがうまくブレンドされてきたからこそ、90年も続いていると思いますね」
昭和14年京都生まれ。36年に同志社大文学部を卒業後、作曲家の南安雄さんに師事して、テレビやCMの音楽担当、作曲活動を始めた。
「父親が作曲家で、戦前に歌劇団に在籍していたこともあるんです。ぼくは小さいころからピアノを習っていたし、大学では軽音楽部でジャズをやっていました。テレビではいろんな番組にかかわりましたね。時代劇の音楽もわりと得意なんですよ」
44年の関西テレビ「タカラヅカ シックス オーオー」の音楽担当がきっかけで歌劇団の作曲スタッフに加わり、49年「ロマン・ロマンチック」で大劇場の作品に初参加。60年「テンダー・グリーン」で初めて主題歌の「心の翼」を作曲した。
その後は「ブラック・ジャック 危険な賭け」「源氏物語 あさきゆめみし」「ON THE 5th」などで数多くの楽曲を手がけ、平成5年から優先契約。14年には代表作を収録したCD「高橋城 宝塚作品集」を発表した。
「宝塚の魅力はやっぱり、見る側にも作る側にも夢があるところ。そこが他の演劇とは違う。ぼくは今の音楽を肯定した上で、宝塚に合った新しい価値観のある音楽を作りたいと、いつも心がけています」
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