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セクシーなワンピースが似合う映美くらら。千秋楽まで月組のカラーを創り続けていきたいと話す |
始まりがあれば必ず終わりがある−トップ娘役になった時からその日がくることは感じていた。
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『飛鳥夕映え』で映美さんと舞う新トップの彩輝直さん(右)。最初で最後の2人の舞台 |
『飛鳥夕映え』と『タカラヅカ絢爛(けんらん)II』(関連記事:ショー作家 草野旦)を最後に退団を決めた月組の映美くららは、今の心境を「一番充実した時期に卒業することができて幸せ」と話す(関連記事:映美くららが退団会見)。
平成13年、去年退団した紫吹淳の相手役として、入団3年目でトップ娘役に抜擢された。まだ下級生としての就任は戸惑うことも多かったという。
「無理をして大人になろうという気持ちが強かった」と振り返る。
転機が訪れたのは、同14年の大劇場公演『長い春の果てに』で病に苦しむ少女エヴァを演じた時だった。
「決して大作ではないけれど、心に動きのある難しい役。自分自身の生き方が役作りに大きな影響を与えることを教えられました」と話す。この舞台がきっかけとなって「自然体の自分を出していけばいいんだ」と素直な気持ちで演技ができるようになった。
紫吹の退団を知ったときには心が揺れ動いた。ここまで育てて頂いた人と一緒に辞めたい−と悩んだ時期もあった。
心の中の葛藤を「自分はまだ映美くららという1人の舞台人として舞台に立っていない、悔いを残さないためにも、もう少しがんばりたい」と迷いを振り払ってけいこに取り組んだ。
「まだまだ未熟な部分もありますが、新たな気持ちでけいこに励んで、今までと違う自分を感じ始めた今、未知の世界に挑戦しようと、退団を決意した」
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『タカラヅカ絢爛II』のフィナーレ、ラテンのリズムに乗って踊る映美さん。情熱の色、赤のドレスを身にまとう |
最後の公演となる『飛鳥夕映え』は月組新トップスター、彩輝直の披露公演(関連記事: 輝く男役 伝統誇りに)。
「自分の退団にこだわらず、彩輝さんを中心とした新しい月組のカラーを創っていくことが自分の成長の証」と公演にかける想いを話す。
最後の舞台は10月10日の東京公演千秋楽、その後のことはまだ決まっていないが「芝居は自分ではない自分になれるとても魅力的な仕事」。今までの経験を生かして何らかの形で芝居を続けていきたいと話す。
「ずっと心にかけて下さったファンの皆様に感謝の気持ちでいっぱいです」と今の心境を語る。
退団後に長い休みが取れれば海外に行きたいという。長さよりも密度が濃かったという6年間、最後の1日まで成長を続けていきたいと、夢に向かって立ち止まることはない。
終始笑顔のインタビューの最後は「これからも映美くららをよろしく!」と締めくくって席を立った。
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