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宝塚歌劇団宙組「ファントム」東京公演始まる
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“宝塚ファントム”は、悲しい愛の物語
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宝塚歌劇団宙組「ファントム」(脚本/アーサー・コピット、作詞作曲/モーリー・イェストン、潤色・演出/中村一徳、翻訳/青鹿宏二)東京公演が17日、東京宝塚劇場(東京・日比谷)で始まった(関連記事:制作発表)。8月29日まで。
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トップスターがマスクをして舞台に立つのは、これが初めて。マスクは、ファントムの感情に合わせて青、黒、白、赤の4種類が用意されている=東京宝塚劇場 |
1991年初演の米国版ミュージカルを、中村が宝塚版に仕立てた1本立て大作。ガストン・ルルー原作の怪奇小説「オペラ座の怪人」が下敷きになっている。
音楽のイェストンが、今回「僕の悲劇を聴いてくれ」「クリスティーヌ(伯爵の歌)」という2曲を新たに書き下ろしているのも話題。
主人公のファントムは、人に顔を見られたくないからマスクをしているが、宝塚歌劇団によると主演のトップスターがマスクをして舞台に立つのは、これが初めて。
19世紀後半のパリ。オペラ座の地下に住むなぞの人物、ファントム(和央ようか)は、美しい声を持つ清らかなクリスティーヌ・ダーエ(花總まり)に亡き母の面影を重ね、正体を隠して歌を指導し、愛するようになる。オペラ座のパトロンでハンサムなシャンドン伯爵(安蘭けい=星組)もクリスティーヌに恋していた…。
美しい音楽が、ファントム(和央)の抱える悲劇の輪郭を浮き立たせる。少年っぽさを残した和央ファントムに対し、彼を見守るオペラ座の前支配人キャリエール(樹里咲穂=専科)の大人っぽいまなざし、という対比が、優しと苦悩とを際だたせる。映画や英国版ミュージカルでもよく知られた作品だが、中村は怪人というより、哀しい人間の生い立ちが浮かび上がさせ、ひと味違った仕上がりにしている。宝塚版ならではの、哀しい愛の姿に胸打たれる。(関連記事:大劇場公演評)。
この日、開演に先立つ舞台けいこが終わった後、劇場内で会見したトップスター、和央ようかも「いわゆる怪人としてだけではなく人間としての葛藤をていねいに演じたい」と話し、“宝塚ファントム”のみどころについての見解を示した。
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けいこ終了後に記者会見したトップスター、和央ようか=東京宝塚劇場 |
●和央ようかとの一問一答は次のとおり。
−−「オペラ座の怪人」は、過去、映画、舞台とさまざまな形で演じられているが
この「ファントム」は、ファントムの生い立ちから描かれていますから、いわゆる怪人としての部分以外にひとりの人間としての彼の心の動き、葛藤をていねいに演じられればなと思っています。
−−歌の難しさは?
キーが高いところはものすごく高くて、低いところもけっこう低くて、いかにも高い、低いと感じさせずに同じ音色でうたえればいいなと思っています。音程が難しいので、ここまでとりにくい音程があるのだろうかと思いました。聴く側に回るととても心地よいのですが、最初に譜面をみながら音を確認したときにはびっくりしました。幕開きの「僕の悲劇を聴いてくれ」は覚えやすくドラマチックで、「ファントム」としても宝塚としてもオープニングにぴったりの曲を作っていただけてうれしいです。
−−音程差は2オクターブぐらいあるのですか?
ありますね。1曲の中でそれほど広いわけではないですが、全部の曲でみれば、そのぐらいになります。
※STAGE GRAPHはこちら。ストーリーのすべてが書いてありますので、観劇予定のある方は、ご注意ください。
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