雪組のレビュー「タカラヅカ・グローリー!」(関連記事:雪組東京公演始まる)第1章で、黄金の衣装の第90期初舞台生50人が華やかなラインダンスを踊る、ザ・ロケットの振り付けを初めて担当した。例年は春の宝塚大劇場だけの行事だが、今年は宝塚歌劇創立90周年とあって、現在上演中の東京公演でも披露している(7月11日まで)。
また、宝塚大劇場で公演中の月組のショー「タカラヅカ絢爛II」(8月9日まで)や、90周年の幕開けとなったレビュー「アプローズ・タカラヅカ!」のプロローグなどの振り付けも手がけた。
「記念の年のうえに、ショーのオープニングの振り付けは初めてだったので、すごいプレッシャーでしたね。初舞台生のロケットは私も経験がありますが、一生残る舞台なので、みんなが心からの笑顔で未来に輝いていけるようなイメージで考えました」
神奈川県茅ケ崎市出身。小学時代からの宝塚ファンで、中学を卒業して音楽学校に入り、昭和58年初舞台。ダンス、歌、芝居と三拍子そろった男役スターで、日本物にも秀でた実力派として活躍し、平成7年に退団した。
「理由は一応、結婚準備。でも何にも考えてなかった。3カ月後に、たまたまお会いした羽山先生(紀代美=振付家)に誘われて、音楽学校を手伝うことになり、1年後に歌劇団の公演の振付助手もするようになりました」
振付家デビューは9年で、バウホール公演「君に恋してラビリンス!」に続き、大劇場公演「ザッツ・レビュー」を初めて振り付けした。その後は「ベルサイユのばら2001」「ガイズ&ドールス」「王家に捧ぐ歌」…と担当作品が立て続けだ。
「やればやるほど振付家の難しさを実感しています。ファンの人がもう一度見たいと思えるような、宝塚ならではの場面作りを心がけて、出演者には舞台に気持ちよく出てほしい。振付家としてはもっと自分の色や香りを出せるように勉強します」という。
ちなみに結婚はいまだに準備のままだが、「一番好きな場所で仕事ができるんですから幸せです」。
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