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娘役らしい可憐な仕草で撮影にいどむ檀れい。白い肌が美しい正統派の美女だ |
1914年、若者たちが熱い夢を持って生きていた時代。忍び寄る戦争の暗い影にはむかい、自分の才能を信じて芸術家を目指すパリの街角の物語。
『1914/愛』で、オペラ歌手を夢見るアデルを演じる星組の檀れいは、「今は夢を持ちにくい時代。観客のみなさんには、自分の夢を見つめなおせるような芝居にしたい」と舞台にかける意気込みを見せる。
月組の娘役トップから専科へ移籍、そして昨年星組の娘役トップに返り咲いた。
歌劇団には5つの組があり、組ごとにそのカラーが違う、意識しなくてもその色に染まりながら組に溶け込んでいく。
ふり返ってみると、月組時代は「月組の檀れい」という気持ちが強かった。ほかの組の事はあまり把握していなかった。
専科に移り、芸術座という外部の公演を経験することで「宝塚の檀れい」というひと回り大きな自分を発見した。
フリーな立場で舞台に立つことで、歌劇団の全体像が見えるようにもなった。
また専科時代のゆとりのある生活が自分を見つめなおす時間を与えてくれた。たくさんの本を読み、映画を見た。普段できないことをすることで、初心に戻っていった。
なかでもショーン・ペン主演の映画「アイ・アム・サム」は印象的だった。知的障害者の父親サム(ショーン・ペン)が養育能力を疑問視され愛娘を児童福祉局に奪われる。悲観にくれるサムは娘を取り戻そうと弁護士を雇おうとするが…。
ショーン・ペンの娘を想う心の強さを訴えようとする演技は、芝居を通じて自分を表現する舞台人の心に火をつけた。
どんな役でも心を感じさせるような演技がしたいと舞台への新たな情熱を呼び起こされた。
湖月わたるとのトップ披露公演『王家に捧ぐ歌』(関連記事:『王家に捧ぐ歌』東京公演始まる)ではファラオの娘アムネリスを演じた。
王の娘としての責務と人を愛する切ない思いをしっかりと演じ分けて、大きく成長を遂げた姿を印象づけた。
多くの経験が「宝塚の檀れい」を育ててきた。夢を追い続ける熱い情熱が歌劇団の新たなカラーを創り出していく。
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