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「NAKED CITY」に主演する彩吹真央(中央)、遠野あすか(右)と、作・演出の小柳奈穂子 |
宝塚歌劇団花組の彩吹真央(あやぶき・まお)がバウ・ミュージカル「NAKED CITY」(小柳奈穂子作・演出)で単独初主演する。裏街道に生きるカメラマンと女優の出会いが生み出す人間模様を、1950年代のジャズに乗せて描く。
写真を見るのも撮るのも好きという小柳が、実在のカメラマンを題材に書き下ろした。「正反対の立場の2人が出会ったらと考えて生まれた物語。結末は内証ですが、“出会い”には何かしらの意味があると思うんです。コミカルな中に男の切なさ、ハードボイルドな面を出したい」と小柳。
50年代のニューヨーク。カメラマンのビリーは警察無線を傍受することで、スクープ写真を撮影して暮らしている。ある日、女優のデイジーと大物マフィアとの密会をスクープしたことから、人生が大きく動き出す…。
ビリー役の彩吹は「まじめで、きれいな役が多かったので、崩した中に格好良さが出るようなアウトローな役柄はやってみたかった。ニューヨークも写真もすごく興味のある世界。自分がこの作品の中でどうなっていくか、想像するだけでも楽しみです」。
デイジーの遠野(とおの)あすか(関連記事:名前の秘密)は、「大人のグラマラスな女優という役は自分の中にないもの。研7(入団7年目)の今、新たな役に挑戦ができるのが幸せです」という。
小柳が、けいこなどで2人を観察。普段は表に出てこない部分を意識し、あて書きした。
「彩吹は硬いイメージと軽やかで母性本能をくすぐる部分がうまくブレンドされている。それをそのまま出せれば。あすかは、お芝居が好きでかわいいだけではない自立した面がある。2人の持ち味を思いっきりエンターテインメントな形で見せたい」
2人とも歌唱力には定評があるだけに、歌も豊富に盛り込まれる。初挑戦というジャズを披露するのも見どころ。
「ジャズは本当に初めて。どうしようかと不安ですが、楽しみも大きい」と遠野。
彩吹は「型にはまらず、挑戦も楽しそうにやっている小柳先生はいいなあと思う。一緒に自由につくっていきたい。先生が目指す、かっこよくておしゃれで新しい感覚をどう伝えるか。そのテイストをお客さまも下級生も一緒に感動できるよう表現したい」と張り切っている。
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