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演出家 齋藤吉正:すみれの園を創る人たち
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殺陣とダンスのコラボに挑戦
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3人の演出家が“夢”をテーマに共同演出する、雪組公演のショー「タカラヅカ・ドリーム・キングダム」(12月14日まで、宝塚大劇場)で、パート2「白昼夢」を担当。「殺陣とダンスのコラボレーションにチャレンジしています。現代の新宿っぽい幻の大都会の中で、スーツ姿の男が長ドスを持っているイメージ」という、独特の美意識が強いインパクトを与えている。
今年は年初の大劇場のショー「アプローズ・タカラヅカ!」の共同演出と、宝塚バウホール公演「愛しき人よ」の作・演出に続いて3作目だ。
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昭和46年横浜市生まれ。平成6年東京農大農学部卒後、宝塚歌劇団に演出助手で入った。
「就職の時期にたまたま募集があって。宝塚ファンの母と姉があこがれた世界に、男の自分が入っちゃったんです。舞台の知識は全くなく、一人暮らしも初めて。2年間は公私ともに苦労して、しゃにむに覚えまくりました」
「虹のナターシャ」新人公演をステップに、11年にバウのシェークスピア・シリーズ「TEMPEST」で演出家デビュー。大劇場は12年のショー「BLUE・MOON・BLUE」が初めてだった。
同年のバウ「花吹雪 恋吹雪」は石川五右衛門の生き様を描いて、斬新な感性を発揮。「和物をショーアップして見せる、自分の一つの方向性を示せた作品でした」という。続いてバウの「血と砂」「ヴィンターガルデン」、大劇場のショー「満天星大夜總会」、紫吹淳コンサートなどを手がけている。
「大階段を使うレビューの醍醐(だいご)味は宝塚ならではの喜びですね。でも、自分の中ではショーも芝居も同じ分野の意識で、ゆくゆくは大劇場でオリジナルのミュージカルをやってみたい。宝塚の美学はドラマチックでスタイリッシュで美しくて、多少の俗っぽさが必要と考えています」
座付作家としての意識も強く、「愛と夢を紡いで90年の歴史を守り続けるのは義務。担当する組、主演者、季節などのリクエストにこたえて、満足してもらえるように料理するのが仕事」と言い切った。
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