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SUMiRE MEMO
by ENAK編集部
11月17日(水)
連載 産経新聞における主な塚関連連載記事は次のとおりです。

・東京本社が発行する毎月第1、3月曜日朝刊の「ザ・タカラジェンヌ」

・大阪本社が発行する毎週土曜日夕刊の「すみれの園を創る人たち」


・大阪本社が発行する夕刊では、毎月不定期火曜日に大判の写真をあしらった連載「タカラヅカ90th きらめく星たち」も。

番組表 東京版朝刊TVメディア面のBS・CS欄にはCSチャンネル「TAKARAZUKA SKY STAGE」の番組表と解説を毎日掲載しています。

OG関連記事 演劇一般など、それぞれ活動のジャンルごとに掲載しています。
ENAK編集部
編集局文化部
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「ベルサイユのばら30」
永遠に不滅 宝塚の宝物 卒業生と花組がコラボレート
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時代を超えた、ふたりのフェルゼンの握手。卒業生の鳳蘭(左)と花組トップスター、春野寿美礼=東京宝塚劇場
宝塚歌劇団の大ヒット舞台「ベルサイユのばら」が初演から30周年になるのを記念したイベント「ベルサイユのばら30(サーティー)」が17日、東京・日比谷の東京宝塚劇場で上演された。歌劇団創立90周年の特別行事の掉尾を飾るものでもあり、初演時にオスカルを演じた榛名由梨を筆頭に卒業生6人が東京公演中の花組とともに華麗なベルばらワールドを再現した。客席には原作者の池田理代子の姿も。

池田の漫画が原作の「ベルサイユのばら」は、昭和49年の月組による初演以来のべ公演回数1446回、観客動員は356万4000人を誇る宝塚最大の人気作品。宝塚歌劇団の名前を全国区にした。

この日出演した卒業生は榛名のほか、鳳蘭▽汀夏子▽安奈淳▽瀬戸内美八▽順みつき−−と、昭和のベルばらを語る上で欠かせない顔ぶれ。現役は春野寿美礼、ふづき美世ら東京公演中の花組のほか花組東京公演に特別出演中の未沙のえる(専科)▽霧矢大夢(月組)▽水夏希(宙組)。

卒業生は「愛あればこそ」「そは薔薇の花」「心の人オスカル」など数々の名曲を歌唱。衰えぬのどで、圧倒的かつ感動的な歌を聴かせた。卒業生はまた、それぞれベルばらにまつわる思い出話を披露。鳳の巧みなリードで、客席の爆笑を誘う場面もしばしばだった。

現役生は卒業生らの歌の合間に「オスカルの居間」「運河」など名場面を再現。「ずっとフェルゼンを演じたかった」という春野は、ふづきふんするマリー・アントワネットを相手に熱演。とらわれたアントワネットを救いに牢獄に忍び込んだが、フランス女王として気高い死を選ぶアントワネットに、悲痛な叫びをあげる「牢獄」「断頭台」の場面では、客席が水をうったように静まり返った。

公演は同日のみ。午後と夕方の2回。公演と公演の合間に鳳と春野が劇場内で記者会見した。鳳は「30年なんて感無量。ベルばらは宝塚の宝物」と熱く語った。春野は「どうしても演じたかったフェルゼン。とても緊張しました。(鳳と)こうして横に並ばせていただくだけでもおそれおおい」と話し、大先輩たちと“宝物”を共有できる喜びで始終、表情をほころばせていた。

会見一問一答

──「ベルサイユのばら30」の舞台に立ち、どんな心境ですか?

鳳蘭 感無量です。私自身はなにも変わっていないつもりだけど、やっぱり変わっているのかなあと思ったり。「ベルサイユのばら」という作品によって、それまで宝塚歌劇を知らなかった方々まで、みなさんが宝塚、宝塚と言い始めました。ベルばらによって宝塚は全国区になった。私も、どこへいっても「宝塚の生徒だ」というと「あの、ベルばらの」といわれたものです。

会見では終始笑顔だった春野寿美礼。あこがれのフェルゼンを演じ、うれしさでいっぱいの気持ちが伝わる。鳳蘭は会見での語り口もさすがの貫禄とサービス精神を示した=東京宝塚劇場
会見では終始笑顔だった春野寿美礼(右)。あこがれのフェルゼンを演じ、うれしさでいっぱいの気持ちが伝わる。鳳蘭は会見での語り口もさすがの貫禄とサービス精神を示した=東京宝塚劇場


春野寿美礼 平成3年の「ベルサイユのばら」のロケットが私の初舞台でしたから、とても印象深い作品なのですが、それ以外では携わったことがなかったのです。しかし、私はフェルゼンという役が大好きで、どうしても演じたいと思っていました。今回、フェルゼンを演じる機会を得て、この日を楽しみにしていました。と同時にとても緊張しました。

──「ベルサイユのばら」で故長谷川一夫氏が演出し、それにより男役の伝統というものが、いわば整理統合されたといえますが、鳳さん、そのあたりを改めてどのように感じましたか

 長谷川先生は、私に演技を指導されたとき、マリー・アントワネットになりきり、「フェルゼン!」といって私の胸に飛び込んでこられましてね、「ああ、この人を守らなくてはならない」という気持ちを起こさせた。そんな指導をされました。そして、独特の流し目を教えていただきました。まず上手2階席を見て、それから猛スピードで下手奥に目をやる、とか。3歩あるいたら流し目とか。そういうキメのポーズを教えていただきました。本当に長谷川先生の演出は宝塚にとって宝物といえます。知らないわよねえ、長谷川先生のことは?

春野 もちろん先生のお話は耳にしています。目線は2階席の手すりに向けるなど。コスチュームものを演じるときなどは、そのような、伝え聞いたことを自分なりに解釈して実行しています。それから、私は音楽に耳を澄まし。同時に客席の拍手にも注意を向けました。ここだというキメの場面ではお客様が拍手してくださるので、そのときに決意を目に込めるように心がけました。

──鳳さんは春野さんを見て、春野さんは鳳さんを見て、それぞれどう感じましたか?

 「断頭台」の場面でステファン(マリー・アントワネットが幼少時にそばにおいていた人形)を手に(春野が)歌う場面なんて、舞台そでから見ていて、ジーンとしたわ。あー、30年前やったな。30年なんてあっという間です。だから、今を精いっぱい楽しんでください。

またまた笑顔の春野寿美礼=東京宝塚劇場
またまた笑顔の春野寿美礼(右)=東京宝塚劇場
春野 偉大な先輩なので、こうして並んでいることさえ、もう…

 偉大な後輩!

春野 なんといえばいいのか…。そう、「男の旅立ち」を歌う場面は、出るまでとても緊張していたのですが、その直前に先輩方の楽しいトークがあって、それでその緊張がほぐれました。お客様の雰囲気も一気にほぐれて、劇場の空気が一変し、楽に入り込むことができました。

 でも、30年ぶりでしょ。お客さまのほうもなんだか緊張なさっていて、みなさん、息をしていなんじゃないかしらって思ったほど、緊張感が漂っていましたよね。

──春野さんは、なぜフェルゼンを好きに?

春野 理由はないんですけど…初めて「ベルサイユのばら」を見たときに、理屈なしにフェルゼンという役が好きになりました。私はフェルゼンが生まれたからという理由だけでスウェーデンまで行ってきました。やっぱりすごく良い国でした! フェルゼンを演じられた鳳さんを前にしたら私なんか手も足も出ないといいますか。私が愛するフェルゼン、ベルサイユのばら。そんな思いを込めて大切に演じさせていただきました。

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