秋の夕暮れ。
玄宗皇帝(湖月わたる)は、
過ぎし日に思いをはせていた。
平和だった長安での日々。美しかった花々。
花々よりもっと美しかった楊貴妃。
楊貴妃…。
楊貴妃のことを思うとき、
玄宗の目はいつもうつろになる。
そんな玄宗の前にひとりの仙人が現れる。
どのような望みもかなえるという 仙人は、
いまいちど楊貴妃に会いたいという
玄宗の願いを聞き入れる。
「ただし、すべてが夢幻の世界であること お忘れなきよう」
玄宗の意識は
あの花舞う長安へと戻っていく…
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