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月組 霧矢大夢:タカラヅカ90thきらめく星たち
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試練こえ 輝き増す
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休日にはいろんな芝居を見るのが楽しみと話す霧矢大夢さん。岸和田出身の彼女はインタビューでも自分が一番伝わるという大阪弁で話すこともある |
健康には自信。気力も体力も充実。そんなある日、医者から「すぐにでも入院して下さい」と宣告されたら…。
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『TAKARAZUKA舞夢!』で絶世の美女パンドラを演じる霧矢さん。公演のたびに新しい魅力でファンの心をひきつける |
そんなショックを乗り越えて、ますます輝きを増したのが月組の霧矢大夢(ひろむ)。昨年7月、東京宝塚劇場での公演中に体調を崩し、初期の膠原(こうげん)病と診断されて約半年間の闘病生活を余儀なくされた。
公演半ばで舞台を去る悔しさがこみ上げ、くじけそうになった時もある。しかし、舞台にかける熱い想いが病と闘う力になった。必ずこの場所に帰ってくる−という決意が、つらい治療に取り組む勇気を与えてくれた。
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先月27日に復帰3作目となる花組公演『La Esperanza(ラ・エスペランサ)』と『TAKARAZUKA舞夢(マイム)!』へのゲスト出演を無事終えたばかり。
花組は7年前に所属した組だが、今までにない新鮮な気分で舞台を楽しめたという。
『TAKARAZUKA舞夢!』では絶世の美女パンドラを演じ、話題になった。深紅のスーツをまとい、セクシーなダンスを踊る姿が観客を魅了した。
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『La Esperanza』でクラブのオーナー、ファビエルを演じる霧矢さん |
学ぶことの多いゲスト出演だが、唯一の気がかりは月組の新トップ、彩輝直の披露公演に立てなかったこと。
客席から見る月組の舞台は「けいこではこんな苦労をしたんだろうなと想像できて感動した」という。「さみしくないと言えば嘘になります。でも、トップを盛り立てるみんなの姿を見て、自分もがんばらなくちゃと、やる気が出ました」。
月組の魅力を再発見したのも大きな収穫だった。
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念願の復帰を果たしたのは、昨年11月の月組公演『薔薇の封印』。夢にまで見た大劇場は「えもいわれぬものがあり、帰ってこれたという思いが胸にあふれました」と喜びの表情を見せた。
つらい治療が続いた毎日、一番の薬になったのは、多くのファンからの励ましのメッセージだったという。自分を応援してくれる暖かい言葉に、今まで以上にファンの大切さを学んだ。
「客席から舞台に伝わってくる想いを大切にして、そのパワーをもっと受け止めたいです」と客席と一体となった舞台を目指す。
重い病気を糧に、思いやりという心を学び、舞台人として大きく成長していく姿がまぶしく見えた。
※初出時の写真説明に役名がカルロスとあったのは、ファビエルの誤りでした。
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